時代はHEROを…甲斐よしひろ40周年記念ツアー “伝説”も語った

[ 2014年7月21日 08:15 ]

40周年を迎えた「甲斐バンド」の甲斐よしひろは記念ツアーへの思い入れを語る

 「HERO/ヒーローになる時、それは今」などのヒットで知られる「甲斐バンド」が8月9、10日に大阪・オリックス劇場で結成40周年記念ツアーの大阪公演を行う。ボーカルの甲斐よしひろ(61)がこのほど、スポニチ本紙取材に応じ、デビュー曲「バス通り」を35年以上ぶりにライブで披露することや、大阪の思い出を語った。

 甲斐バンドのライブは「最高の予定調和をやる場」と語る。ファンが期待するヒット曲を共に歌い、喜ばせるのは必須。だが今回はそれだけじゃない。「40周年記念はインパクトある事を」と企画を練った。「デビュー後3年ぐらいはやったけど、以降は披露してないデビュー曲をほぼ原曲通りにやりますよ。他にもライブで歌ってない曲をやる」という。

 過去を振り返るだけでなく、来場者全員に新曲3曲を収録したCDも贈呈。前向きな意欲と健在ぶりをアピールする。

 甲斐が大阪の記憶で真っ先に浮かぶのが1981年9月13日、近鉄花園ラグビー場でのライブだ。「ロックは格闘技だ!」と、甲斐バンドは同所史上初のコンサートを決行。同日発売した新曲「破れたハートを売り物に」を1曲目に披露すると、ファン2万2000人が興奮しステージに押し寄せた。舞台と客席を仕切る太い鉄柵が観客の圧力でグニャリと曲がるのを見た甲斐は、5曲で演奏を中断。40年でライブを止めたのはこの1回だけ。「2メートル下がって」と20分かけて説得。バラード「安奈」を歌いファンの心を静め、無事再開した。

 終演後、会場にいた笑福亭鶴瓶(62)に「ようやったな。人は求心力のある前には行くけど、下がらんもんや」とねぎらわれた。だが、演奏中断に自責の念を感じた甲斐は「やけ酒飲んで酔っぱらって、店の階段から転げ落ちましたよ」と笑った。

 花園の数年前にも、大阪の旧サンケイホールで観客が大騒ぎした結果、アンコールで前から3列分の床が抜け、30センチ沈む事態が発生。「とにかく大阪のファンは熱狂的」と苦笑いしていた。

 ◆甲斐 よしひろ(かい・よしひろ)1953年(昭28)4月7日生まれ、福岡市出身。74年5月に甲斐バンドを結成し、11月にデビュー。86年に解散し、ソロ活動。甲斐バンドの期間限定復活などの後、09年から本格再始動。

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2014年7月21日のニュース