「私の男」モスクワ映画祭で最優秀作品賞&男優賞W受賞

[ 2014年6月29日 00:30 ]

モスクワ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した浅野忠信(C)2014「私の男」製作委員会

 世界4大映画祭の1つ「第36回モスクワ国際映画祭」の授賞式が28日午後6時(日本時間同日午後11時)から行われ、コンペティション部門に日本から唯一、出品された「私の男」(監督熊切和嘉、公開中)が最優秀作品賞(グランプリ)主演の浅野忠信(40)が最優秀男優賞に輝き、ダブル受賞の快挙となった。

 日本映画が同映画祭で最優秀作品賞に選ばれたのは1999年、新藤兼人監督の「生きたい」以来15年ぶり。最優秀男優賞は83年「ふるさと」(監督神山征二郎)の加藤嘉以来31年ぶりの偉業となった。

 桜庭一樹氏(42)の直木賞受賞作を原作に、震災孤児の少女・花(二階堂ふみ)と彼女を引き取った遠縁の男・淳悟(浅野)との「禁断の愛」を描く。父と娘の禁断の関係がテーマとあり、21日に行われた公式上映と記者会見の際には、宗教倫理の厳しいロシア記者の間で物議を醸しながら「今映画祭中、最も挑発的な映画。それが吉と出るか凶と出るか?」と絶賛の声も上がり、まさに吉と出た。

 ▼熊切和嘉監督 「私の男」は企画段階から完成に至るまで、さまざまなトラブルに見舞われた映画でした。それがモスクワ国際映画祭でグランプリ&主演男優賞だなんて、神様もいたんだなあと!最高です!

 ◇モスクワ国際映画祭 カンヌ、ベネチア、ベルリンと並び「世界4大映画祭」に数えられる。国際映画製作者連盟公認。第1回は1959年に行われ、隔年開催。99年以降は毎年、開かれている。
 
 【モスクワ国際映画祭 日本映画の主な受賞歴】
1959年(第1回)「いつか来た道」監督島耕二<審査委員賞>
1961年(第2回)「裸の島」監督新藤兼人<最優秀作品賞>
1963年(第3回)「非行少女」監督浦山桐郎<最優秀作品賞>
1965年(第4回)「手をつなぐ子等」監督羽仁進<審査員特別賞>
1967年(第5回)「白い巨塔」監督山本薩夫<銀賞>
1971年(第7回)「裸の十九才」監督新藤兼人<最優秀作品賞>
1975年(第9回)「デルス・ウザーラ」監督黒澤明<最優秀作品賞><国際批評家連盟賞>
「砂の器」(監督野村芳太郎)<審査員特別賞>
1979年 (第11回) 黒澤明監督<特別名誉賞>
1981年(第12回)「泥の河」(監督小栗康平)<銀賞>
1983年(第13回)「ふるさと」(監督神山征二郎)加藤嘉<最優秀男優賞>
1999年(第21回)「生きたい」(監督新藤兼人)<最優秀作品賞><国際批評家連盟賞>
2001年(第23回)「華の愛 遊園驚夢」(監督ヨン・ファン) 宮沢りえ <最優秀女優賞>※中国作品
2002年(第24回)「blue」(監督安藤尋)市川実日子<最優秀女優賞>
2003年(第25回)「ふくろう」新藤兼人監督<特別功労賞>大竹しのぶ<最優秀女優賞>
2004年(第26回)「ホテル・ビーナス」(監督タカハタ秀太)<ハースペクティブ部門最優秀賞>
2008年 (第30回) 北野武監督 <特別功労賞>
2013年(第35回)「さよなら渓谷」(監督大森立嗣)<審査員特別賞>
「少年H」<GALA部門特別賞>

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