桂文枝 神戸に“第2の繁昌亭”構想、2年以内実現へ意欲

[ 2014年5月24日 07:49 ]

「いらっしゃ~い!」ポーズで笑顔の桂文枝(中央)

 上方落語協会の桂文枝会長(70)が23日、大阪市北区の定席「天満天神繁昌亭」に続く寄席小屋を神戸にオープンする構想を明かした。同日、繁昌亭で開かれた定期総会で言及。具体的な場所や開場時期は未定だが、「若手の噺家(はなしか)に場数を踏んでもらいたい。実現に向けて頑張りたい」と次世代スターの育成を目的に、7期目の任期中である2年以内の実現へ意欲を示した。

 神戸の寄席にも、いらっしゃ~い!? 7期目に入る文枝会長が新たな目標を掲げた。

 「繁昌亭一つでは若手に出番が回ってこない。私が入った当時は四天王(笑福亭松鶴、桂米朝、桂文枝、桂春団治)の下に30歳前後で笑福亭仁鶴、桂枝雀、桂春蝶がそろった。ああいう時代が来なければ上方落語が続くのは難しい」

 第2の繁昌亭プランは、協会情報誌の企画で笑福亭鶴瓶(62)と対談した4月に浮上し、公の場で言及するのは今回が初めて。神戸を候補とした理由は「大阪や京都には劇場があるので」とし、「具体的なことはまだ考えていないが、こういう話をすることで兵庫県や神戸市が“やりましょう”と手を挙げてくれるかもしれない。(任期の)2年のうちに実現させたい」と決意を語った。

 03年7月に会長職に就いて以来、力を注ぐのが若手育成だ。06年9月にオープンした繁昌亭は昨年8月、総入場者数が100万人を突破。今月15日には東京・神田神保町の劇場「神保町花月」でも若手の落語会をプロデュースすることが決まり、会見した。

 所属する吉本興業が1922年に東京進出、45年に空襲で焼失した寄席「神田花月」があったゆかりの地だ。月1回とはいえ、69年ぶりに東京にできる上方落語の拠点。「10年、20年、100年先まで上方落語、協会が続くために次の世代へつなぐべく、今後もチャレンジしたい」と打てる布石は打ち続ける。

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