渡辺謙 こだわりの発音!「GODZILLA」ではなく「ゴジラ」

[ 2014年5月10日 07:11 ]

ロス市内のサンタモニカでゴジラのフィギュアとポーズを取る渡辺謙

 俳優の渡辺謙(54)が8日、米ロサンゼルスで、出演するハリウッド版「GODZILLA(ゴジラ)」(監督ギャレス・エドワーズ、日本公開7月25日)のワールドプレミアに出席した。約1500人が見守った上映会は、ゴジラの初登場シーンで拍手と歓声が湧き起こるなど大盛況。渡辺は「国境も国籍もなく愛されているキャラクター」と語った。

 ベールに包まれていた21世紀版ハリウッドゴジラの全貌が明らかになった。初登場は上映開始1時間後。海中から巨大な背びれだけをのぞかせていたのが、徐々にその姿を浮かび上がらせ、ハワイの海岸に上陸。耳をつんざく咆哮(ほうこう)を響かせると、待ちに待ったファンは「イエーイ!」と大興奮した。

 さらに、観客を沸かせたのが科学者役を演じる渡辺のこだわり。セリフ内の「ゴジラ」を、英語発音の「ガッジーラ」でなく、そのまま言うとファンは大喜び。ゴジラを生み出した日本人としての譲れない思いに大きな拍手を送った。

 渡辺は「監督からは英語の発音に近づけてほしいと言われたけど、絶対イヤだと拒否した」と説明。観客の反応にエドワーズ監督も「映画史に残る名場面になった」と認め、日本語吹き替え版を担当し、この日のプレミアに出席した俳優の佐野史郎(59)は「日本人として感謝したい」と敬意を表した。

 ゴジラを題材にした作品は04年公開の邦画「ゴジラ FINAL WARS」以来。ハリウッド版は98年の第1弾以来の復活となる。

 第1弾はイグアナのようなデザインが不評だったが、今作は日本版に近いイメージ。生みの親の東宝と意見を交換しながら作り上げた。体長は歴代最大の約108メートルという設定。前作ではなかった放射熱線を口から吹く“必殺技”も復活した。

 物語も1954年の水爆実験でゴジラが目覚めたという日本版を踏襲。新たに生まれた巨大生物の影響で生態系に危機が迫る中、ゴジラが登場する。日本も舞台で、原発崩壊の場面があるなど社会問題もテーマに。渡辺は「それがないならゴジラがよみがえる意味はない。現代の悩みや恐れを反映しているからこそ作品に挑戦した」と強調。時代と国境を超えて愛されるゴジラが、再び世界に強烈なインパクトを与える時が近づいてきた。

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