「レツゴー三匹」じゅんさん急死 正児「足が震えた」

[ 2014年5月9日 05:30 ]

1978年レツゴー三匹10周年記念リサイタル、上から長作、正児、じゅんさん

 ベテラン漫才トリオ「レツゴー三匹」のレツゴーじゅんとして活躍した俳優の逢坂じゅん(おうさか・じゅん、本名渡辺美二=わたなべ・よしじ)さんが8日午後5時29分、脳出血のため大阪市の病院で死去した。68歳。堺市出身。葬儀・告別式は未定。

 愛きょうあるキャラクターで昭和のお笑い界を盛り上げたベテラン漫才師が突然、この世を去った。関係者によると、最近までじゅんさんは元気な様子で、5日ほど前に相方のレツゴー正児と自宅近くの喫茶店で会っていたという。3日ほど前に急激に体調を崩し、入院したとみられる。ベテラン漫才コンビの「三吾・美ユル」と懇意にしており、今秋には独演会に出演する意向だった。

 じゅんさんは吉本新喜劇などを経て、レツゴー三匹の結成に加わった。吉本興業所属時代、「コメディNo・1」「横山やすし・西川きよし」「中田カウス・ボタン」とともに頭角を現し、70年代の関西お笑い界をけん引。「じゅんでーす」「長作でーす」「三波春夫でございます」という口上で全国に知られ、上方漫才大賞などを受賞する人気トリオとして活躍した。じゅんさんは、外国人の物まねで「アメリカでは~」「これからは~」など、数々のギャグを生みだし、世間を笑わせた。

 トリオでは2年前にレツゴー正児の弟子「幸助・福助」の独演会に出演したのが最後となった。

 自宅が近かった正児は「ここ最近は凄く仲良くしていた。じゅんさんの姉から訃報を聞いて、足がガクガクと震えた。ただただ信じられず、涙が止まりません」と肩を落とした。

 最近会っていなかったというレツゴー長作は「一番若いじゅんが逝ってしまうなんて、今はまだ実感がなく、つらいとか悲しいとか通り越して、頭の中で思い出が走馬灯のように巡っています」と話した。

 後年は逢坂じゅんの芸名で、俳優としてテレビや舞台でも活躍。昨年は、TBS「半沢直樹」やNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」など人気ドラマにも出演していた。

 逢坂 じゅん(おうさか・じゅん、本名渡辺美二=わたなべ・よしじ)1945年(昭20)7月2日、大阪府堺市生まれ。64年11月、吉本興業で初舞台。69年10月に「レツゴーじゅん」の芸名で正児、長作と「レツゴー三匹」を結成。71年「上方漫才大賞新人賞」、73年「上方漫才大賞」を受賞。

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