「あまちゃん」で蟹江さんの孫 能年「大好きです、悲しい」

[ 2014年4月6日 05:30 ]

「あまちゃん」ヒロインの能年玲奈

 名脇役として活躍した俳優の蟹江敬三(かにえ・けいぞう、本名同じ=享年69)さんが胃がんのため先月30日に死去していたことが分かってから一夜明けた5日、昨年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で共演した能年玲奈(20)、小泉今日子(48)が突然の死を悼んだ。また、蟹江さんは昨年末に胃がんと診断され、闘病しながら俳優業を続ける覚悟でいたことも分かった。

 蟹江さんは「あまちゃん」で能年が演じたヒロインの祖父で、不器用ながら家族を温かく見守る漁師・忠兵衛を好演した。約半年間、孫として愛情を注いでもらった能年は「忠兵衛さんが、大好きです。いつかまた絶対に共演したい、できるようにもっと頑張らなきゃ、と思っていました。どうしよう、という思いです。悲しいです」と所属事務所を通じてコメント。突然の別れに無念さをにじませた。

 忠兵衛は遠洋漁業の漁師で、長期間、家を空けることが多い役柄だった。ヒロインの母親役で、蟹江さんと親子を演じた小泉は「船乗りの忠兵衛父さんは最後に誰にも告げずこっそりと漁に出ました。だからまたひょっこり帰って来るような気がしてなりません」と追悼した。

 所属事務所によると、昨年9月に放送が終了した「あまちゃん」の撮影中は体調に異変はなかったが、10月ごろに不調を感じ、近所の病院で検査を受けた。だが、原因は分からなかったという。

 12月末になって悪化。5日に放送され、遺作となったテレビ朝日「おとり捜査官・北見志穂」の撮影期間中、都内の病院で検査を受け、胃がんと診断された。末期の一歩手前の「ステージ3」だったが、蟹江さんは担当医に「どんな治療をすればいいのか?」と熱心に質問し、仕事への熱意をうかがわせていた。

 撮影現場では体調不良を感じさせなかったため、テレビ朝日関係者は一様に訃報に驚いている。亡くなる約2週間前まで、02年から担当するテレビ東京「ガイアの夜明け」のナレーションの仕事も行っていた。

 密葬には長男で俳優の蟹江一平(37)が地方での仕事で参列できず、蟹江さんの妻、長女で女優の栗田桃子(40)、所属事務所社長、一平の妻の4人で蟹江さんを送り出したという。栗田は「どの作品でも強烈な印象を残して輝き続ける父を本当に誇りに思います」とコメントした。

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