「裸の島」ロケ地買い取りに合意 新藤監督の次男ら

[ 2014年3月17日 19:43 ]

 2012年に100歳で死去した映画監督新藤兼人さんの代表作「裸の島」(1960年)のロケ地として知られ、広島県福山市の男性が競売で落札した同県三原市の無人島「宿禰島」を、新藤監督の次男らが買い取ることで男性と合意したことが17日、分かった。

 新藤監督の次男で映画製作会社「近代映画協会」の新藤次郎社長によると、落札額の約779万円に税金や登記代などの実費を加えた額で買い取る。4月に契約し、三原市に寄贈する方針。

 俳優の柄本明さんら映画関係者と買い取りに向け活動を続けてきた新藤社長は「歴史的な島を保存したいという趣旨を理解していただいた。さらに募金活動を続けたい」と話している。

 競売は2月に広島地裁福山支部であった。新藤社長らも302万円で入札したが及ばず、落札した福山市のアパート賃貸業上野光司さん(73)と個別に交渉を続けていた。上野さんは取材に「残念な気もするが、新藤社長の熱意と情熱にほれた」と語った。

 島は三原市の沖合約1・5キロで、市によると面積は0・74ヘクタール。映画は水や電気のない瀬戸内海の小さな島に住む一家の日常や葛藤を描き、61年にモスクワ国際映画祭グランプリを受賞した。

続きを表示

2014年3月17日のニュース