黒柳徹子追悼コメント全文「昌也さんのように上品な人はいない」

[ 2014年1月22日 21:15 ]

黒柳徹子

 女優の黒柳徹子(80)が22日、ファクスを通じて16日に亡くなった俳優・演出家の高橋昌也さん(享年83)をしのんだ。高橋さんは3月、黒柳主演の舞台「想い出のカルテット~もう一度唄わせて~」の演出を控え、稽古が始まるのを楽しみにしていた矢先だった。追悼コメント全文は以下の通り。

 お正月すぎに昌也さんから「お雑煮も食べて、感謝、感謝。舞台楽しくやりましょう」ときれいな字で書いたファクスをいただきましたので、お元気だと思っておりました。16日夕方、たまたま仕事が休みで家にいたら、奥さまからのお電話が鳴りました。

 昌也さんとは60年近いお付き合いで、初めてのラジオのレギュラー「一丁目一番地」では夫婦役を演じ、芝居のことで教えていただくことも本当に多かったです。

 銀座セゾン劇場の芸術総監督におなりになって、1989年に「舞台をやらない?」と呼んでいただいて、25年間、30近い作品に黒柳徹子主演海外コメディーシリーズとして出演させていただきました。1996年以降16公演を演出してくださったのですが、脚本を選び、鋭い演出をして、でもダメ出しは笑わせながらおっしゃる、喜劇に向く楽しい稽古場をつくってくださり、安心して演技をすることができました。

 今回の公演を「想い出のカルテット」の再演にしたのは、昌也さんが「自分で言うのもなんだけど、最後の場面に続く演出が我ながらうまくいき、あの気持ちのいい場面をもう一度見たいという思いがあるから」と、とても楽しみにしていらっしゃいました。

 まだ私も気持ちが混乱しているのですが、これからも、これまで昌也さんに演出していただいた作品を再演していきたいと思っています。

 昌也さんのように、上品な、ユーモアが分かる、美しいことが好きな人はそういないと思います。私たちが失ったものは本当に大きいです。最近、周りのお友達が次々に亡くなり、悲しい中で最後の一撃という気がします。

続きを表示

2014年1月22日のニュース