壁ドンに胸キュン!?少女漫画が火付け役 若者の間でブームに

[ 2013年12月22日 12:01 ]

14日に行われたイベントで壁ドンする山崎賢人。約1000人ものファンが集まった

 壁を背にして立ち、異性に迫られる恋愛のシチュエーションが「壁ドン」と呼ばれ、若者たちの間で流行になりつつある。火付け役は少女漫画「L・DK」。女性誌が特集して反響を呼び、来春には剛力彩芽(21)と山崎賢人(19)の共演で映画化される。

 最近ではネットアイドルやインディーズバンドも「壁ドンイベント」などと称して、“壁ドン”を新作のプロモーション活動に利用する動きがある。若手イケメン俳優の山崎もアイドルの聖地、東京・池袋のサンシャインシティ噴水広場で開催。「山崎君に壁ドンをされてみたい」と期待する女性ばかり約1000人が集まった。

 壁ドンは、壁を背にした相手に対してドンっ!と手を突く行為の略称。恋愛のヤマ場に登場することが多く、女性誌は続々と特集を組む。今月も別冊フレンド、Seventeenが掲載した「理想の恋愛シチュエーション」で1位。トップ10には「頭ぽんぽん」「手を引っ張る」「後ろからギュッ」「いっしょにイヤホン」などの定番が並ぶ中、軒並みトップの人気だ。

 山崎は映画「L・DK」(来年4月12日公開)で、一見女性に冷たいドSキャラの高校生を演じる。主演の剛力に壁ドンをして迫る。

 イベントでは埼玉県の専門学校生、猪俣愛さん(19)を壁に追い込み、「スキ見せてんじゃねーぞ。他のヤツに。返事は?」とささやいた。愛さんは「ドキドキして、目を見ることができませんでした」と目を潤ませながらハートをわしづかみにされた様子。山崎は「恥ずかしかったですね。でも柊聖(しゅうせい=役名)になりきり、女の子をからかうような気分も楽しめた」と話した。

 恋愛漫画やドラマなどで、以前から使われる描写ではあった。だが「壁ドン」と呼ばれるようになって人気が伸びたのはこの1、2年。火付け役は09年から別冊フレンド(講談社)で連載中の漫画「L・DK」。いきなり第1話から登場する。

 当時は壁ドンという言葉はなかった。担当編集者の森田眞さん(44)は「最近になって読者のファンレターで、そう呼ばれていると知った」と話す。漫画では発展形である「床ドン」なども登場する。

 “ドン系”の魅力について森田さんは「男子の強引さが一番。少女誌は、少年誌ではあり得ないような積極的な男性像が求められます」と苦笑いして解説。「草食系男子」「肉食系女子」の言葉が使われる一方で、現実には男性も女性も肉食系が少数派だからこそのブームだという。「自分の気持ちを伝えるのは、男も女も怖いんです。一方で恋愛に関する情報だけはたくさん入ってくる。女性は焦り、男性が積極的になるのを待っているのかも」と分析している。

 肉食系でも、不特定多数の女性に手を出すのはアウト。相手の身動きを封じ、視界を独占する壁ドンは「女性は自分だけを見てくれていると感じる。世界に2人だけしかいないと錯覚を起こすようです」と森田さん。男性のいちずさを感じる行為でもあると強調する。

 ▼L・DK(エルディーケー) 渡辺あゆ氏の少女漫画。タイトルは「ラブ同居」の略。一人暮らしの女子高生・西森葵(剛力)は、学校一のモテ男・久我山柊聖(山崎)とひょんなことから同居。一見、冷たい柊聖に振り回されながら恋に落ちていく。単行本は13巻で340万部を売り上げ、文芸誌ダ・ヴィンチ主催の「電子書籍アワード2013」で1位。中高生から20代の女性を中心に人気。(※・の部分はハート)

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