サブちゃん紅白引退会見 「最後は“まつり”で」有終大トリ

[ 2013年12月6日 05:30 ]

会見を終え笑顔をみせる北島三郎

 演歌歌手の北島三郎(77)が5日、都内で記者会見を行い、来年以降はNHK紅白歌合戦に出場しないことを発表した。50回目の出場を決めた今年を最後に、「半世紀の大きな節目に一つの線を引きたかった」と説明。後進の出場機会を広げるために決断したという。芸能活動については「引退するつもりはない」と誓った。

 色の入ったメガネをかけ、紺のスーツ姿。着席すると「50回目の区切りを迎えたとき、若い人にとってこれからの紅白が素晴らしいものであればいいなと思った。彼たちが燃えて、後輩たちが出てくれば。誰かが何かをしないと変わらないのかなと感じる」と後進に託す思いを打ち明けた。

 一昨年、芸道50周年を迎えた際に区切りをつけようとしたが、東日本大震災の発生を受け「皆さんに元気が出るようもう一度頑張ろう」と思い、出場を続けてきたという。今年3月、師匠で作曲家の船村徹氏(81)らに「今年、紅白に出場することが決まったら線を引きたい」と相談。船村氏からは「君もよく頑張った」とねぎらいの言葉をかけてもらった。関係者によると、NHK側には会見前日の今月4日に「一本の線を引きたいと思う」と決断を伝えた。

 63年の紅白初出場からを振り返り「昔は合戦で“俺の対戦相手誰だっけ?”と気になっていた。今は“ファッション”。聴くのと魅せるといったら、魅せるほうが主体になってきたような感じがする」と番組の“若返り”について触れた。

 区切りをつけた理由として、病気など健康面についての質問も出たが「全然ない。身代わりのきかないこの仕事で、丈夫な体に産んでくれた両親に感謝ですね」と強調。83年12月に母キクエさん(享年68)が亡くなってからちょうど30年。関係者によると、今月13日には故郷の北海道知内町に戻り、眠る母の墓前へ最後の紅白出場を報告する。

 10月4日に喜寿を迎えた。歌手活動自体は「引退するつもりはない」と断言。劇場での1カ月公演は14年9月に東京・明治座、同11月に大阪・新歌舞伎座、15年1月に福岡・博多座と予定が埋まっている。その先については「体力的にキツくなってきた。営業の人間と相談しながらやっていく」とし「おそらく線を引くことになる」と語った。

 今年の紅白は「最後は“まつり”でいきたい」と明かし盛大に飾りたい意向。大トリを務めるのは確実で、美空ひばりさんと並び歴代最多の11回目。これまで涙を流すことはなかったが、古参のスタッフには「最後だから泣いちゃうかもしれない」と明かしている。

 ▼五木ひろし 50回という偉業を達成されてのご勇退に心から賛辞をお贈りいたします。紅白は卒業されますが、まだまだ現役で歌い続けていただきたいと、後輩の一人として願っております。

 ▼石川さゆり 紅白64回の歴史の中、50回出場されるというのは、凄いことだと思います。今回のことは、さまざまな決断あってのことだと思います。歌声、しっかりと胸に焼き付かせ、聴かせていただきます。

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