「ザ・タイガース」44年ぶり再結成!GSサウンド不滅

[ 2013年12月4日 05:30 ]

全国ツアーをスタートさせた「ザ・タイガース」(左から)岸部一徳、沢田研二、瞳みのる、加橋かつみ、森本太郎

 1960年代後半のグループ・サウンズ(GS)ブームをけん引した「ザ・タイガース」がオリジナルメンバー5人で44年ぶりに再結成され、全国ツアーを3日、日本武道館(東京都千代田区)でスタートさせた。沢田研二(65)は「タイガースに光を当ててくれてありがとう!力をくれてありがとう!愛をくれてありがとう!」と約1万3000人の大観衆にあいさつ。初期のヒット曲「花の首飾り」など28曲の熱演で場内を熱気に包んだ。

 沢田、加橋かつみ(65)、瞳みのる(67)、森本太郎(67)、岸部一徳(66)と、リードボーカルが曲ごとに変わる演出で復活をアピール。白髪の割合は増えたものの、女性ファンから悲鳴のような歓声を浴びる光景は不変だ。

 デビュー当時の5人が全員そろったのは、69年3月に加橋が脱退して以来。最初のあいさつは「ザ・タイガースです」と、再びステージにそろったことを確かめるように5人で声をそろえた。

 沢田が「この人の高い声がないとタイガースではありません!」と加橋を紹介すると歓声が一際大きくなった。沢田や、当時の所属事務所との間に生まれた確執から失踪騒ぎに発展した脱退劇から44年。少し照れくさそうな顔をした加橋は「メンバーも客席もそれなりにいいお年を召して」と笑いを誘い、20代の頃と変わらない繊細な声で「僕たちのエネルギーを精いっぱい感じてほしい」と話した。
 
 ステージは360度客席に囲まれ、2部構成。1部は、かつてカバーしたビートルズやローリング・ストーンズの洋楽11曲を連発。2部では「花の首飾り」「君だけに愛を」などおなじみのメロディーを繰り出した。ジュリーが人さし指を向けるたびに場内から「キャ~!」の声。「シーサイド・バウンド」では大合唱に包まれた。サポートメンバーは入れず、5人だけで全28曲、約2時間半の熱演だった。

 71年の解散から42年。80年代に一時復活した際は、加橋が戻ったものの、瞳が芸能界から離れていたため参加せず、「再結成」ではなく「同窓会」と称して活動した。今回のコンサート関係者によると「1人もミスができないと、5人とも緊張していた」という。

 この日を皮切りに27日の東京ドーム公演まで8公演で各会場のチケットは即完売。ファンの興奮は年の瀬まで続く。

 ◆岸部 一徳(きしべ・いっとく)サリー 1947年(昭22)1月9日生まれ。ベース。バンド活動後75年から俳優活動。
 ◆沢田 研二(さわだ・けんじ)ジュリー 1948年(昭23)6月25日生まれ。ボーカル。ソロで精力的に活動する。
 ◆瞳 みのる(ひとみ・みのる)ピー 1946年(昭21)9月22日生まれ。ドラム。解散とともに引退し慶大経て高校教師に。
 ◆加橋かつみ(かはし・かつみ)トッポ 1948年(昭23)2月4日生まれ。ギター。69年脱退後渡仏し音楽活動を展開。
 ◆森本 太郎(もりもと・たろう)タロー 1946年(昭21)11月18日生まれ。ギター。プロデューサーでも活動。

 ▽ザ・タイガースと日本武道館 森本を除く4人と岸部の弟、四郎(64)=後にメンバー入り=は66年、初めてコンサート会場として使用されたビートルズ来日公演を観賞。ビートルズを意識したおそろいのスーツで座り、同じ会場での開催を目指す。人気絶頂期の71年1月24日、解散公演の舞台に。沢田は「みなさん、笑って別れよう」と叫んだが、他のメンバーもファンも号泣。日本人では単独開催第1号となった。昨年1月、沢田の武道館公演に瞳、森本、岸部が参加。沢田は「命ある限り、全員そろってタイガース。近い将来、もう一度全員でやります」と宣言した。

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