テレ朝社長 元社員制作費流用で陳謝 再発防止策「機能しなかった」

[ 2013年11月26日 16:36 ]

 テレビ朝日の定例社長会見が26日、東京都港区の同局で開かれ、番組制作費約1億4100万円を私的に流用したとして同社編成制作局の男性社員が解雇された件について、早河洋社長(69)が「視聴者、株主、関係先の信頼を裏切る結果になった」と陳謝した。

 元社員は2003年11月から今年3月までの間、制作会社3社に架空計上や費用の上乗せなどの方法で代金を請求させ、支払われた費用を着服。自身の旅行費用や服飾品の購入などに充てていたといい、8月に東京国税局の税務調査で問題が発覚し、元社員も流用を認め、弁済を始めているとしていた。同局は男性社員を今月19日付で懲戒解雇したと20日に発表している。

 この件に関し、早河社長は「今回の一件で視聴者、株主、関係先の信頼を裏切る結果になったということに、心からおわびをしたいという気持ちです。信頼回復のため、再発防止策を徹底しないといけない」と陳謝。同社では2006年にも社員による不正流用事件が発覚。その時に制作費等不正防止プロジェクトチームを立ち上げるなど、再発防止に努めてきたが、「結果としてそれが機能しなかった。猛省している」と続けた。

 今後の再発防止策としては、法務、総務、経理の担当者で編成された制作費の監査チームを設け、抜き打ちで事情聴取を行うほか、コンプライアンス誓約書の作成、編成業務部内に予算執行の進捗状況を管理する専任者を置くといい、「早急に、年内から運用を開始する」とした。

 元社員のほかにも番組制作費を制作会社にプールするといった不適切な経理処理が複数件確認されたとしていたが、これについても「不適切だと思う。(今後ないように)現場でも徹底している」と説明。解雇した社員への刑事告訴に関しては「現時点では決定していません。さまざまな選択肢を視野に検討している。本人と関わった3社に明確な返済の意思があり、本人の返済も始まっている。今後の推移を見極めながら、慎重に検討していきたい」と話した。

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2013年11月26日のニュース