若手よ、成りあがれ!永ちゃん ライブ飛び入りでサポート約束

[ 2013年9月28日 07:56 ]

若手バンド「FLOW」のライブにサプライズ登場し、観客を沸かせる矢沢永吉(中央)

 ロック歌手の矢沢永吉(64)が27日夜、東京・渋谷で開催された若手バンド6組の競演ライブ「ロキシーパーティー」に飛び入り出演した。音楽産業の衰退が指摘される中「有名、無名にかかわらず本当に実力のあるヤツらを応援したい」とイベントに賛同。継続開催できるよう「サポートする」とし、伝説の「キャロル解散ライブ」が行われた日比谷野外音楽堂で「いつか開催したい」と夢を語った。

 ライブ終盤、矢沢がサプライズで登場したのは渋谷センター街周辺の「クラブクアトロ」。最大収容600人で、ステージに立ったのは初めて。予想外の大物に観客が騒然となった中、驚きの声は「YAZAWA!」コールに変わった。

 黒の革ジャン姿で「みなさん、ようこそ!」とあいさつ。飛び入りの理由を「僕もライブハウスからはい上がりました。ちょっと甘酸っぱいこのにおい。アメリカ行ってもどこ行っても、ライブハウスの楽屋のにおいは変わらないね。汗、野心、切なさ、いろんなものが混じったような…。ここからはい上がっていく、そのチャンスを若いみんなに提供していきたいと思い、やってきました」と説明。「だから主役は出演者とオーディエンス」と強調し、歌唱はせず、今後も“裏方”としてサポートに徹する。

 イベントを企画したのは、矢沢が5年前に立ち上げたレコード会社「ガルル」の若手スタッフら。かねて音楽産業の衰退を案じていた矢沢には「どんなに時代が変わっても、生のライブだけは決して変わらない。ライブだけはうそをつけないし、本物しか残れない」との思いがあった。

 CDが売れなくなり、ロックスターも生まれづらい。「でもライブにこそ、ロックスピリッツはある。俺を見ろ!っていう本能だ。これは誰にも消せやしない。永遠、フォーエバーだ」とロックの力を信じている。

 初開催のこの日の観客は約600人。小さな一歩かもしれないが「6カ月後にまたやります。もっとチャンスを!と思っている人たちに熱い思いが広がっていけば。そしていつか、あの日比谷野音でやりたい」。“炎の野音”と呼ばれたキャロル解散ライブから38年。再び伝説の地で“ロックの灯”を燃やす意向だ。

 ◆キャロル解散ライブ 75年4月13日に開催。開場時からファン7000人以上が集まり騒然。演出で使った爆竹の火が舞台セットに燃え移り、ステージが炎上。楽器も燃え、消防車が出動した。

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2013年9月28日のニュース