宮崎監督“有終”「風立ちぬ」興収100億円突破 邦画5年ぶり

[ 2013年9月13日 06:00 ]

宮崎駿監督

 長編映画製作から引退を発表した宮崎駿監督(72)の最新作「風立ちぬ」が興行収入100億円を超えた。配給の東宝が12日、7月20日の公開から今月11日までの54日間で、興収100億3060万8300円、観客動員810万6669人に達したと発表した。

 日本で公開の映画が興収100億円を超えるのは10年の「トイ・ストーリー3」(108億円)以来3年ぶり。邦画では宮崎監督が手掛けた08年「崖の上のポニョ」(155億円)以来5年ぶりとなる。

 宮崎監督は先週6日、都内で引退会見。過去に何度も引退を示唆してきたが、「今回は本気。僕の長編アニメの時代は、はっきり終わった」と発言。東宝は「宮崎監督最後の映画を見ようと多くの人が映画館に駆けつけたようだ」としている。先週末(7、8日)の興収は前週比34・5%増と異例の伸びを記録。週末興行成績は、公開から8週連続で首位をキープしている。これはジブリ作品では01年「千と千尋の神隠し」の11週、04年「ハウルの動く城」の9週に続く3位。

 宮崎作品の100億円超えは5作目となる。「風立ちぬ」は戦前の日本が舞台で、主人公はゼロ戦設計者の堀越二郎。恋愛もテーマの一つ。これまでの作品より高い年齢層も映画館に足を運んでいる。小中学生らが主なターゲットだった従来作に比べ、夏休み後の動員も見込めるため、さらなる伸びが期待される。10月以降も公開予定で「ポニョ」に迫るヒットになりそうだ。

 同じジブリ映画で、11月23日に公開を控えている高畑勲監督(77)の「かぐや姫の物語」にも注目が集まっており、東宝は「前売り券の売り上げなど、好調に推移しています」としている。

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2013年9月13日のニュース