ベネチア映画祭で宮崎作品上映 観客も引退惜しむ

[ 2013年9月2日 08:04 ]

ベネチア国際映画祭で宮崎駿監督の新作「風立ちぬ」が上映され、観客の拍手に応える滝本美織(左)とスタジオジブリの星野康二社長

 引退することが明らかになった宮崎駿監督(72)の新作「風立ちぬ」が1日夜(日本時間2日未明)、イタリアで開催中の第70回ベネチア国際映画祭で公式上映され、来場した観客からは引退を惜しむ声が相次いだ。

 72歳のイタリア人男性は「宮崎監督は私と同い年だ。まだまだ続けてもいいのでは」。イタリア人ジャーナリストの男性(34)は「非常に残念だが、これまでも(引退を)言われてきたので、ひょっとして、を期待したい」と述べ、引退宣言の撤回に望みを託した。

 この日は、作品中に「カプローニおじさん」として登場するイタリアの飛行機設計者の孫のイタロ・カプローニさん(38)も来場。「私のイメージどおりの祖父が描かれていて信じられなかった。(監督の引退は)もし健康上の理由なら仕方がないが、別の理由であれば気が変わってほしい」と語った。

 上映後、総立ちの観客からは約5分間の拍手を送られた。ヒロインの声を務めた女優の滝本美織さん(21)は、宮崎監督のことを思い浮かべながら観賞したといい、「監督に感謝の気持ちを伝えたいです」と話した。

 「風立ちぬ」は、同映画祭で最高賞の金獅子賞を競うコンペティション部門に出品されており、主要賞は7日夜(同8日未明)の授賞式で発表される。(共同)

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