宇多田ヒカル 母の悲報5日目に沈黙破る「後悔の念募る」

[ 2013年8月27日 06:00 ]

公式サイトにコメントした宇多田ヒカル

 歌手の宇多田ヒカル(30)が26日、公式サイトで22日に母親の藤圭子さん(享年62)が自殺したことについて「あまりに悲しく、後悔の念が募るばかり」などと心情を吐露した。

 藤さんの死についてコメントしたのは初めて。自分が幼い頃から藤さんは「精神の病に苦しめられていた」「悲しい記憶が多い」などと明かした上で感謝の言葉も述べた。この日までに帰国したとの情報もあり、27日にも悲しき対面を果たす可能性がある。

 最愛の母の悲報から5日目で初めて沈黙を破った。母娘の距離を感じさせるように母を時折、彼女と呼ぶなどしながら、「8月22日の朝、私の母は自ら命を絶ちました」と切り出した575文字には、悲しみと感謝が入り交じった心情が込められていた。

 生前の藤さんについてさまざまな臆測が飛び交う中、「彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました」と告白。23日付本紙でも報じたとおり、藤さんはパニック障害など心の病を抱えていた。

 「その性質上、本人の意志で治療を受けることは非常に難しく、家族としてどうしたらいいのか、何が彼女のために一番良いのか、ずっと悩んでいました」と、苦しむ母の姿に心を痛めていたことを打ち明けた。

 宇多田が幼い頃から藤さんの病気は徐々に進行していったという。症状が悪化していくにつれて「家族も含め人間に対する不信感は増す一方で、現実と妄想の区別が曖昧になり、彼女は自身の感情や行動のコントロールを失っていきました」と、感情の起伏が激しくなっていったと説明。そうした状況は変わらず「私はただ翻弄(ほんろう)されるばかりで、何も出来ませんでした」と自身の無力さを嘆いた。

 3年前に音楽活動を休止した際に藤さんの行方は知らなかった。やっと伝えられた消息はあまりにもつらい悲報だった。「母が長年の苦しみから解放されたことを願う反面、彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」

 藤さんを尊敬し、歌手業はもちろん、米国の名門コロンビア大学に合格するなど学業でも母の期待に応えてきた。メッセージの後半には自然と母への愛があふれ出した。

 「誤解されることの多い彼女でしたが…とても怖がりのくせに鼻っ柱が強く、正義感にあふれ、笑うことが大好きで、頭の回転が早くて、子供のように衝動的で危うく、おっちょこちょいで放っておけない、誰よりもかわいらしい人でした。悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、笑っている彼女です」

 母の笑顔を脳裏によみがえらせ「母の娘であることを誇りに思います。彼女に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです」と締めた。

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