高橋氏「土屋に責任」と繰り返し主張 原作者には「嘘でしょ」

[ 2013年8月9日 19:23 ]

損害賠償訴訟の手続き完了後に会見した甲斐智陽こと高橋茂氏(右)

 女優・土屋アンナ(29)の舞台「誓い~奇跡のシンガー~」が中止になった騒動で、監督の甲斐知陽こと高橋茂氏が9日、都内で記者会見を開き、土屋が稽古に参加しなかったことで舞台が中止に追い込まれたとして、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことを発表した。請求額は約3000万円。

 担当弁護士は原案となった「日本一ヘタな歌手」著者で車いすシンガー濱田朝美さん(31)の許可を得ていないという報道にも「(土屋が)稽古に出ないための口実」と真っ向から反論した。

 約1時間半にも及んだ会見は、高橋氏が「舞台の中止は稽古に参加しなかった土屋に責任がある」と繰り返し非難。原案を認めていないと訴える濱田さんには「口頭で了承をとっている」と主張するなど、双方の意見の対立がくっきりと浮かび上がった。担当弁護士は「(公判まで)門戸は閉ざしていない」と話し合いの余地を残したが、土屋サイドとの交渉は難航しており、泥沼化は避けられない状況だ。

 報道陣の質問の多くは「原作」と「原案」の違いに集中した。「日本一ヘタな歌手」を出版した光文社の関係者から濱田さんの著作を渡されたという高橋氏は「原作本を読んであれを舞台にする気にはならなかった」と、あくまで「着想を得ただけ」と主張。はじめから原案について口頭で濱田さんの了承も得ており、「濱田さんが不満を持たれていることはなかった。反対を押し切ってまで舞台化したという状況はなかった」(担当弁護士)との認識を示した。

 「了承を得ていない」と訴える濱田さんについては「注目されたかったんでしょ。本来なら代理人がついてそんなことは言ってはいけない。それに土屋さんが乗ってきた」(高橋氏)と推測し、「(立ち合ったうちの)3人がオーケーと言っている。はっきり言って嘘でしょ」と切り捨てた。

 原案に採用した理由について、高橋氏は「(舞台化に)光文社が協力してくれるという話だったので、気を遣った」と説明。舞台化に際し、濱田さんとは使用料等は発生していないという。

 騒動は、7月29日に製作側が公式サイトで土屋の稽古不参加を理由に上演中止を発表し「断固たる措置を講じる」と強硬姿勢を見せたことが発端。これに対して土屋側は事務所を通じて「事実無根」と反論し、濱田氏もブログで「舞台化を許可していない」と土屋を擁護している。

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2013年8月9日のニュース