辛坊治郎氏 生出演で事故報告「新しい命を大切に使っていきたい」

[ 2013年8月3日 09:46 ]

辛坊治郎氏

 小型ヨットで太平洋横断中に遭難、救助されてから活動を自粛していたニュースキャスターの辛坊治郎氏(57)が3日、読売テレビ制作の報道番組「ウェークアップ!ぷらす」(土曜前8・00)に生出演。事故について報告するとともに「皆様のおかげで助けてもらい、新しい命を頂きました。せっかく頂いた命ですから、皆様にどんな形で恩返しできるのか、大切に使っていきたい」と神妙な表情で話した。10日放送回からキャスターとしてレギュラー復帰する。

 6月21日の遭難事故から1カ月半でのテレビ復帰。番組では、ヨットの船尾ポールに設置された定点観測カメラ、船内カメラに記録された、事故から36分間の映像を用い、事故原因を検証した。

 映像では、ヨットがクジラと思われる物体に衝突した際に辛坊氏と全盲セーラーの岩本光弘氏が「波だろう」と話し、それから十数分後に浸水に気付いた様子が明らかにされた。改めて事故当時の映像を見た辛坊氏は「ミスが多いなと、つくづく思いました」とポツリ。衝突は避けられたか?との質問には「(衝突時は寝ていて)起きて見ていたら避けられなかったとまでは言えない」とし、波と思い込んで確認に行かなかったことについては「まったくのミス」と話した。

 多額の救助費用がかかったことについて一部で批判もあるが、辛坊氏は海上自衛隊が「命を懸けて救ってくれた」と感謝。「お金を払うとか、金額にするという発想自体が違う」とした。ヨットは保険に加入していたので民間による救助なら費用を支払うことができたが、自衛隊には「制度的に支払うことができない」。今後は「国民の義務を果たしてしっかり納税していく」ことで返していくとした。

 一部では、太平洋横断中が番組に合わせて企画されたとささやかれているが、これについては「デマ」ときっぱり。計画に無理があったのでは?との指摘には「船の仕上がり具合としては、これ以上の船はない。日程的には余裕があった」としながら「最初の6日間は予定よりは急ぎ過ぎた」と振り返った。

 辛坊氏は6月21日、岩本氏と挑戦した太平洋横断中にヨットが浸水、海上自衛隊の救難飛行艇に救助された。直後の会見では「救助にたくさんの人手や税金を使うことになった。どの面下げてという思いはする」と涙ながらに休業を示唆。海上保安庁の聞き取り調査を受けながら自宅などで静養していた。

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2013年8月3日のニュース