解散コンサート完全燃唱「ファンモンは永久に不滅です」

[ 2013年6月3日 06:00 ]

東京ドームでラストコンサートを行ったファンキーモンキーベイビーズ

 人気音楽グループ「ファンキーモンキーベイビーズ」が2日、東京ドームでラストコンサートを行い、解散した。念願の東京ドームのステージに立ち、25曲を熱唱。ファンキー加藤(34)は「ファンモン史上最高のライブになった。皆さんの心に残っていれば、ファンモンは永久に不滅です」と約5万人に感謝。最後の楽曲「ありがとう」を会場全体で合唱し、全力で駆け抜けた9年半を締めくくった。

 最後まで全力疾走だった。「WE ARE FMB」でオープニングを飾り、「Lovin’ Life」「ALWAYS」など立て続けにヒット曲を熱唱。約4時間、ステージを走りまわった。最後は息を切らし、しゃがみ込んだ。加藤が「最高でしたか?」と呼びかけると5万人が「もちろんだ!」と大歓声で応じた。

 加藤は「解散の実感が湧かない。こんな時間がずっと続くのかな、と勘違いしてしまいそう」と心境を明かし、うっすら目に涙を浮かべた。「ベイビーズ」と呼ぶファンから解散を惜しむ声が相次ぐ中、「悲しいこと、つらいことがあったら心の奥底に耳を澄ませてほしい。僕らの音楽が“頑張れ!負けるな!”とあなたの人生を応援しています」と熱く語った。

 昨年11月29日に解散することを発表。DJケミカル(31)が実家の寺の住職になる準備に入るためだった。ノリノリで最後のパフォーマンスを披露するケミカルに対し、モン吉(34)は「これが現代の“踊り念仏”なんじゃないか」と話し、客席を笑わせた。

 06年1月にデビュー。地元八王子から音楽産業が密集する都心に進出するという意思を込め、タイトルは「そのまんま東へ」とつけた。その原点に立ち返るため先月30日のリハーサル後、3人だけで市内の高級料亭「うかい鳥山」で食事した。「思い出話をするわけでもなく、過去の話をしたわけでもない」と加藤。関係者は「俺たちもこういう店でなんとか飯を食えるようになったんだ、と成長をかみ締めたんじゃないでしょうか」と明かした。今後についてモン吉は何らかの形で音楽活動を続けると周囲に語っており、加藤も同様とみられる。

 ヒット作に恵まれない頃から泥臭く活動を続け、勇気や努力、友情などを伝えてきた。デビューからのライブ総動員数は約80万人を突破し人気アーティストに成長。東京ドームは子供連れの家族、若いカップル、高齢の男女ら幅広い層で埋まった。世代を問わず楽しめる音楽は、人々の心に永遠に刻まれていく。

 【ファンモンの軌跡】
 ▼04年元日 ファンキー加藤、モン吉、DJケミカルの3人で結成
 ▼06年1月 「そのまんま東へ」でデビュー
 ▼07年1月 通算4作目「Lovin’ Life」が20万枚を売り上げ、着うた200万ダウンロードを突破
 ▼08年 初の全国ツアー。11公演で8500人を動員
 ▼09年6月 初の日本武道館公演
 ▼同12月 NHK紅白歌合戦に初出場。以降昨年まで4年連続出場
 ▼10年2月 初のベスト盤が上半期アルバム売り上げ1位
 ▼11年4月 東日本大震災の影響により予定していた初の東京ドーム公演中止を発表
 ▼12年11月 DJケミカルが実家の住職を継ぐ準備のため解散を発表
 ▼13年6月 東京ドームで解散ライブ

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2013年6月3日のニュース