平均年齢74歳の熱演にパリ喝采 蜷川幸雄さん演出

[ 2013年5月31日 08:21 ]

カーテンコールに応じる「さいたまゴールド・シアター」のメンバーら

 演出家の蜷川幸雄さん(77)が率いる高齢者の演劇集団「さいたまゴールド・シアター」が30日夜(日本時間31日未明)、パリ日本文化会館で舞台「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」(清水邦夫さん作)を上演した。

 同集団にとって初の海外公演で、平均年齢74歳の団員らによる熱演に、終演後もしばらく拍手が鳴りやまなかった。ファッションデザイナーのセシル・ルクキヨンさん(33)は「こんなお芝居は見たことがない。強いエネルギーを感じた」と感激していた。

 87歳と団員で最高齢の重本恵津子さんは「これ以上の幸せはない」と満足げで、蜷川さんは「年を取っても、意志があればいろんなことができると分かった。彼らがどれほど努力をしてきたか知っているので、ご苦労さまと言いたい」と、団員をねぎらった。

 「鴉よ―」は、爆弾テロで罪に問われた青年を助けようと、その祖母をはじめ年寄りの女たちが法廷を占拠し、裁判官、検事らに死刑を宣告していく物語。公演には、若者でつくる「さいたまネクスト・シアター」のメンバーも参加した。

 ゴールド・シアターは2006年、埼玉県の「彩の国さいたま芸術劇場」芸術監督に就任した蜷川さんが提案、「55歳以上」を条件に団員を公募して結成した。現在、団員は41人。(共同)

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2013年5月31日のニュース