“銅メダル”獲得に是枝監督「まだ上がある」

[ 2013年5月28日 06:00 ]

第66回カンヌ国際映画祭授賞式後の記者会見で賞状を広げて見せる是枝監督

「そして父になる」カンヌ審査員賞を受賞

 審査員長のスティーブン・スピルバーグ監督の口から受賞を告げられた是枝監督。ステージに上がると、親子の関係を問い掛ける受賞作になぞらえて「僕を子供として生んでくれた亡くなった父親と母親、僕を父親にしてくれた妻と娘にありがとう」と感謝の言葉をささげた。

 審査員長のスティーブン・スピルバーグ監督の口から受賞を告げられた是枝監督。ステージに上がると、親子の関係を問い掛ける受賞作になぞらえて「僕を子供として生んでくれた亡くなった父親と母親、僕を父親にしてくれた妻と娘にありがとう」と感謝の言葉をささげた。

 01年の「DISTANCE」、04年の「誰も知らない」に続いて、3度目の同映画祭コンペ部門出品。授賞式後の会見では、“銅メダル”に相当する審査員賞に「とても良い賞で、なおかつまだ上がある。まだまだ頑張る余地を残していると自分に言い聞かせ、また新作を持ってここに来られたら」とさらなる意欲を見せた。

 テレビドキュメンタリー出身。「誰も知らない」で、当時14歳の柳楽優弥(23)にカンヌ史上最年少で男優賞をもたらしたように、子供に対する演出力が目を引く。

 その演出方法は子供たちに台本を渡さず、口頭で状況を教えるのが特徴。「言わされた感覚が残らないように」と、ゲームをしているような流れで、意識を監督ではなく共演者に向かわせているという。

 初の父親役で「経験がないので不安でした」と明かした福山も、撮影を「即興演奏のような、その瞬間でしか生まれ得ない状態がたくさん生まれた」と振り返った。

 ▼河瀬直美監督(コンペ部門審査員) 是枝さんは、映画監督として本当に優れた作品を作られた。子供を取り違えられた家族、特に父親が、それをどう受け止めていくのか。「そして父になる」というタイトル通りの過程を一歩一歩踏み込んでいく作品の構築の仕方が優れている。

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2013年5月28日のニュース