牧伸二さん なじみの喫茶店で目撃されたのが最後か 服装違い元気なく

[ 2013年4月30日 06:49 ]

29日死去した牧伸二さん

 29日に亡くなったウクレレ漫談の牧伸二さん(78)は死の直前、どのような行動をとっていたのか。遺書などもなく、その気持ちは分からないが、28日の行動の一部が30日までに分かった。

 牧さんは28日午後1時15分から同30分まで、台東区の寄席「お江戸上野広小路亭」で、自身が会長を務める東京演芸協会のイベントに出演。同4時10分から浅草の演芸場「東洋館」で公演が予定されていたため、弟子とタクシーで移動し、同2時ごろ東洋館前に到着。荷物を弟子に預け、「喫茶店に行ってくる」と告げて、約150メートル離れた行きつけの喫茶店に向かった。

 同店の女性店員によると、アメリカンコーヒーを注文し、2時半ごろまで滞在。20年来のなじみ客といい、店を出る際、普段と同じように「いってらっしゃい」と送り出したが、元気がない様子だったという。「いつもはおしゃれなスーツ姿なのに、茶色い作業服のようなジャンパーを着ていたのでびっくりした」と振り返った。

 出演時間が迫っても会場入りしないため、弟子らが周辺を捜索。牧さんは携帯電話を所持しているが、持ち歩いておらず、連絡がつかないため公演はキャンセルされた。30日も出演を予定していた。

 自宅では妻、三女と3人暮らし。報道陣に対応した次女の真理子さんによると、28日午前に仕事に向かったが、家には戻らなかった。02年に脳出血で入院しており、最近はつえが手放せなかったという。近所の住民は「27日はにぎやかな話し声が聞こえた」と話した。

 関係者によると、近年は耳も聞こえづらい様子だった。28日に上野広小路亭の楽屋で一緒だった牧田博(61)によると、若手の芸に対して「全くついていけない」と苦言を呈していたという。5月5日には同協会が国立演芸場でイベントを行うが、会長の牧さんは参加せず静岡県三島市で公演を予定していた。

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