勘三郎さんに恩返しを…中村獅童 通夜の席で決意「何が何でも出る」

[ 2013年1月21日 16:36 ]

「赤坂大歌舞伎」製作発表で、赤坂芸妓に囲まれる(左から)中村七之助、中村勘九郎、中村獅童
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 歌舞伎俳優の中村獅童(40)が21日、都内で行われた中村勘九郎襲名記念「赤坂大歌舞伎」の製作発表に中村勘九郎(31)、中村七之助(29)とともに出席した。

 当初は違う演目が考えられていたというが、今回は中村勘九郎襲名の締めくくりとして、中村屋の十八番とも言える演目「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」が上演される。現在放送中のNHK大河ドラマ「八重の桜」に出演の獅童は当初はスケジュール的に厳しいと断っていたという。

 そんな中で、昨年12月の中村勘三郎さん(享年57)の訃報を受け、通夜の席で「何が何でも出る」と出演を快諾したという獅童。「僕は本当に勘三郎のお兄さんにお世話になりましたし、親代わりのような存在でした。歌舞伎界の父親がいない僕にとっては、師匠であり、恩人であり、愛する大先輩。(今回は)どうしても出たかったですし、勘三郎のお兄さんが愛していた演目に、再び出演させていただくことは自分にとっては大きい」と思いを語った。

 敵役・磯貝浪江を演じるのは2度目。「いろんなことにドキドキしちゃって、いつの間にか中村獅童に戻っちゃうんです。(早替わりで)早いんで名前を間違えちゃうんです。むちゃくちゃになっちゃって、勘三郎の兄さんに楽屋で『何でもいいけど、名前だけは頼むよ』って言われた。それが一番思い出に残っている。今度は2度目、世界一のいい男という気持ちで一生懸命務めたい」と獅童。「まだ(勘三郎さんが)いなくなっちゃったという感覚がないんです。いつものあの声が聞こえてくる。今回も『名前だけは間違えなんなよ』って声が聞こえてくるんですよね」と笑顔を見せた。

 会見では、司会を務めたTBSの出水麻衣アナウンサー(28)に勘九郎が「出水さんもアナウンサーの綺麗どころを集めて見に来てください」と誘うと、獅童が「それは僕のセリフ。平成のプレイボーイは勘九郎さんに譲りました」と苦笑いを見せ、集まった報道陣を笑わせる場面もあった。

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