勘九郎「七之助と途方に暮れております」と喪失感隠せず

[ 2012年12月28日 06:00 ]

父の遺影の前で参列者へ喪主挨拶をする中村勘九郎。右は中村七之助、左は松竹・大谷信義会長

中村勘三郎さん本葬

(12月27日 築地本願寺)
 参列者の弔辞の後に、喪主のあいさつをした勘九郎は「こんなに多くの人に愛されている人の血が、自分に流れていると思うだけで力が出る」と訪れた1万3000人に感謝。七之助(29)は「(父は)これからも見てくれていると思うので、恥ずかしくない舞台をしたい」と話した。

 葬儀前に父の遺骨を抱きながら巡ったゆかりの地で、あらためてその偉大さを感じ「道行く人が手を合わせてくれて、あらためて凄い人だと思った。父の魂、遺志を引き継ぎたい」と強調。建設中の歌舞伎座に立ち寄ったことに「一緒に舞台に立ちたかったと思う。でも以前と変わらぬつくりを見て、父が一番喜んでいたのでは」と話した。

 本葬前日の26日まで京都・南座で自身の襲名披露興行に七之助とともに出演。10日の通夜、11日の葬儀いずれも出席できなかった。連日深夜に帰京し、早朝に京都へ向かいながら舞台をこなした。「父に会いたかったし(往復は)苦ではなかった。舞台があったのは逆にありがたいこと」と役者魂を強調した。

 大きな喪失感を隠せず「偉大な父を亡くし、七之助と途方に暮れております。どうか助けてください」と涙声で訴える場面もあった。それでも父の教えを胸に進んでいく覚悟で「人に愛され、それを返せるだけのパワーを自分の中にためて出すことが大切。まだまだですが(兄弟)2人いる強みを生かし、頑張っていきたい」と力強く締めた。

続きを表示

この記事のフォト

2012年12月28日のニュース