寺島しのぶ 若松監督の突然の悲報に涙「嘘だよって現れて」

[ 2012年10月19日 06:00 ]

若松孝二監督の自宅に弔問に訪れた寺島しのぶ

 タクシーにはねられて重傷を負い、17日深夜に入院していた都内の病院で亡くなった映画監督の若松孝二さん(享年76)ゆかりの著名人が18日、突然の死を悼んだ。10年公開の映画「キャタピラー」で主演し、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶ(39)は弔問に訪れ、「お別れという実感がない」とうつむいた。

 寺島は18日夜、黒いコートに身を包み、若松監督の自宅に弔問に訪れた。9月11日に第1子となる長男の眞秀(まほろ)くんを出産後、報道陣の前に姿を現したのは初めて。

 目に涙をためて、「お別れという実感がありません。監督に頂いたものはあまりにも大きいので、ありがとうございましたしかないです。(監督は)本当に柔らかい様子でいらっしゃいました」と話した。

 若松監督の遺作となった「千年の愉楽」(来春公開)でも主演。たくさんの思い出がある監督の突然の死の悲しみに耐えている様子で、白いハンカチをきつく握りしめていた。

 ブログでは「夜中の電話」と題し、「嫌な予感がした。やっぱり。突然いなくなってしまった若松監督」と関係者から知らせを受けた時の思いをしるし、「嘘(うそ)だよって言いながら現れてほしい。監督の誕生日のエープリルフールみたいに」と死を信じたくない気持ちをつづった。

 若松監督を兄のように慕う崔洋一監督(63)も自宅を訪ねた。大島渚監督(80)の「愛のコリーダ」(76年)では、プロデューサーだった若松監督の誘いで助監督を務めた。「生命力のある人なので、楽観していたけれど…。いいお顔をしていました。闘い続けた男の終えんでしょう。けんかの仕方や酒の飲み方まで教えてもらった面白いおっさんでした」としのんだ。

 ほかに井浦新(38)も弔問。監督が息子のようにかわいがり、井浦も慕って、「千年の愉楽」を含め5作品に出演。今年に入って芸名を「ARATA」から改名したのも、主演した「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(6月公開)がきっかけだった。監督の事故翌日の今月13日には北海道・函館の映画祭で一緒にトークイベントを行う予定だっただけに、ショックは大きく、コメントは出さなかった。事務所は「憔悴(しょうすい)しきっていて言葉が出ないようです」としている。

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2012年10月19日のニュース