女子学生ら企画 黒沢監督しのび「映明忌」鎌倉で初開催

[ 2012年9月5日 18:03 ]

 1998年に亡くなった映画界の巨匠、故黒沢明監督をしのぶ「映明忌」と題した催しが命日前日の5日、監督の墓がある神奈川県鎌倉市で初めて開かれた。映画ファンの女子学生らの企画に遺族も賛同し、実現した。

 企画したのは都内の複数の大学の女子学生でつくる映画鑑賞サークル。幹事の学生が通うマスコミ就職塾を主宰し、黒沢監督のおいにあたる元毎日新聞記者の高田城さん(67)を通じて遺族に相談し了解を得た。「映明」は監督の戒名の一部。

 5日は鎌倉市の安養院の墓前で、学生らも参列して法要を営んだ後、近くの寺で「黒沢映画と平和について語る会」と、監督の作品「羅生門」の鑑賞会を開催。鑑賞会には一般の人も含め約50人が参加した。

 高田さんは「黒沢は若い才能を愛し、積極的に発掘した。今回も若い力のおかげで実現にこぎつけられ、うれしい」と話した。関係者は、映画ファンが集うイベントとして定着を目指している。

 サークルのメンバーで中央大4年の佐山寿里さん(22)は「実現に向けて活動する中で黒沢監督の偉大さを知った。若い人は特に黒沢作品を見て、映画に込められたメッセージを感じ取ってほしい」と話していた。

続きを表示

2012年9月5日のニュース