総選挙で圏外…光宗薫 “スーパー研究生”じゃイヤなんです

[ 2012年9月4日 08:00 ]

笑顔でカメラを構える光宗薫

 AKB48の光宗薫(19)が11月24日公開の映画「女子カメラ」(監督向井宗敏)に主演した。初めての映画出演でいきなり主役の大抜てき。デビュー前からメディアへの登場が多く「スーパー研究生」と言われたが、先日の東京ドーム公演でチームKへの昇格を果たした。順風満帆の日々と思いきや、その胸には複雑な思いがあった。

 ――先月の「女子カメラ」の完成披露の時、記者から質問され、「スーパー研究生」と言われることに対する思いを話している途中に「泣きそうになっちゃった」と言っていましたが、あの時、なぜ泣きそうになったのですか?

 「まだそういう名前を払拭(ふっしょく)できていないことが、やっぱり悔しかったですね。今も悔しいですし」

 ――この映画に主演したことで払拭できるのでは?

 「そうですかね…。でも、毎回そのくらいの気持ちでやっているつもりです。いつ、自分の悔しい気持ちが収まるか分からないですけれども」

 ――「スーパー研究生」が褒め言葉だと感じなかった?

 「自分自身を指しているものだとは思えなかったんです。最初のうちは、そう思ってくれる人をどれだけだましきれるかという気持ちでやってたんですけど、それも長く続くわけじゃありません。仕事をやっていけばいくほど、私が真正面から体当たりでぶつかっていくしかその壁を越える方法はないんだと痛感しました。この間の総選挙であらためて覚悟もつきましたし」

 ――総選挙で圏外だったことが?

 「やはり、認められてないという事実をあらためて形として知りました。それに対する自分の感じ方も、物凄く激しいものでした。あの日は公開処刑じゃないですけど…。そんな気持ちで日本武道館を出ました。でも、自分でどうしていいか分からない状況ではないんです。ダンス一つ取ってもそうですけど、自分にはまだ伸びしろがあると思うので、必ず越えたいと思います」

 ――メディアにたくさん露出しているのにファンに認められないのは自分がAKB向きではないからだと思う?

 「入ったことは後悔していないし、入った以上は認められたいです。すぐにではないでしょうけど、きっと、越えられるものだろうと思っています。でも“全然スーパーじゃないんだ!?”というところで応援してほしくはないんです。“普通の子だから応援しよう”という気持ちにはなってほしくない。それだと壁を越えたんじゃなく壁から逃げたことになるので、そこは自分で頑張って、つけていただいた名前にふさわしいと思われるような人間になりたいと思います」

 ――それにしても映画界やマスコミの評価とファンの評価がここまで違うのも不思議な現象ですね?

 「こうやって話していても、ずっと悩んではいますし、自分を過大評価してるわけじゃないですけど“何でだろう?”と思います。でも、一度入った以上はちゃんと向き合っていきたいです」

 ――今後はどのようにやっていきますか?

 「絶対に、AKBに自分を寄せて好かれたくはないんです。握手会でも“髪を伸ばしてもう少し女の子らしくした方がいい”とか“発言は謙虚にした方がいい”とか言われるんですけど、でも、それで好かれても意味がないと思ってます。その方法で好かれるんだったら、私じゃなくてもいいわけじゃないですか?みんなが同じゴールに向かっても意味がないと思うので、たとえうまくいかなかったとしても、そこだけは曲げたくないです」

 ――それは正しいやり方だと思います。

 「でも、そこで意地になって自分を見失わないように気をつけます。あまりあまのじゃくにならないように(笑い)」

 ◆光宗 薫(みつむね・かおる)1993年(平5)4月26日生まれの19歳。大阪府出身。11年3月の神戸コレクションモデルオーディションでグランプリ。同年9月のAKB48第13期研究生のオーディションで合格。同年12月のAKB48紅白対抗歌合戦に同期でただ一人出演。劇場デビュー前から単独で雑誌のグラビアなどに登場。身長1メートル68。

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