健さん富山刑務所で上映会 涙流す受刑者も

[ 2012年8月27日 06:00 ]

撮影にも使われた富山刑務所の長い廊下に立つ高倉健

 高倉健(81)が26日、公開中の主演映画「あなたへ」(監督降旗康男)の舞台になった富山市の富山刑務所を訪れた。撮影協力への感謝を込めたもので、公開中の映画では異例となる刑務所内での上映会も開かれた。

 高倉が「昨年この富山で大事な場面をたくさん撮らせていただきました。ありがとうございました」とあいさつすると、薄緑色の服を着た受刑者約350人から拍手が起きた。「自分はたぶん日本の俳優では、皆さんのようなユニホームを一番多く着た俳優だと思っています」には、私語を厳しく禁じられ、静かに聞き入っていた受刑者も思わず笑いだした。高倉は刑務所の指導技官役だが、過去には「網走番外地」シリーズなどで受刑者も演じている。

 高倉が富山から長崎までを車で旅するロードムービー。富山刑務所では昨年9月上旬に計5日間の撮影を行った。旅先で多くの人と出会い、人と人との絆の大切さが描かれる。受刑者に「あなた方にとって大切な人のもとへ、一日も早く帰ってあげることを祈っています」と語り掛け目を潤ませる場面も。名優の温かい言葉に、涙を流す受刑者もいた。

 市内の映画館で行われた舞台あいさつには妻役の田中裕子(57)、降旗監督とともに登壇した。

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2012年8月27日のニュース