TKD4万8千人 アキバ観客7人から7年かけ“夢劇場”

[ 2012年8月25日 06:00 ]

オープニングの「PARTYが始まるよ」を歌う(左から)前田敦子、峯岸みなみ、篠田麻里子、小嶋陽菜、板野友美、高橋みなみ

AKB48東京ドーム公演

 開演から約10分。高橋の頬を涙が伝った。

 「泣かないと決めていたのに…。凄いよ、AKBを見たいと思ってる方がこんなにたくさんいるなんて」

 結成から約7年。横に並んだ前田は右手で胸を押さえ、小嶋陽菜(24)、板野友美(21)、峯岸みなみ(19)も目を潤ませた。「諦めないで続けてよかった」(峯岸)、「7年思い続ければ夢はかなう」(板野)。それぞれの思いが込み上げた。

 いずれも05年12月8日の劇場デビュー公演を経験した5人。一般の観覧者はわずか7人だった。秋元氏は、グループ発足当初から東京ドーム公演を目標としていたが、メンバーたちには「そんなバカなこと」「無理だ」という懐疑的な声もあった。峯岸は当時の思いを「半信半疑だった」と明かし、戸賀崎支配人も「メンバーは夢のまた夢のような表情だった」と振り返る。

 本格的に東京ドーム公演の実現へ動きだしたのは、06年8月のメジャーデビュー決定直後。スタッフから「次は何を目標にしましょうか?」と聞かれた秋元氏が「(東京)ドームでいいんじゃないかな」と即答。この一言が決め手となり、公式ブログのタイトルが「TOKYO DOMEまでの軌跡」に変わった。

 ドームへの“距離”を縮めたのは10年7月の国立代々木競技場第1体育館公演。戸賀崎支配人は「(パフォーマンスが)ドーム寄りになってきてるのかなと感じた。学ぶことが多かったと思う」。この頃から「私たちの目標は東京ドーム」と胸を張って言えるようになったという。

 この日の1曲目はデビュー公演のオープニングと同じ。1期生5人に、デビュー約2カ月遅れで合流した1・5期生の篠田を含む計6人で歌った。「皆さんの歓声が温かくて…。今までで一番きれいな景色が広がった」。高橋は感無量の表情でドーム公演初日を締めくくった。

続きを表示

2012年8月25日のニュース