BS日テレ&ジャパン 竹島入り俳優主演韓流ドラマ延期 

[ 2012年8月16日 06:00 ]

 日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)への水泳リレーによる上陸を目指していた韓国俳優ソン・イルグク(40)らが15日午前、竹島付近に到着した。日本テレビ系のBS日テレとテレビ東京系のBSジャパンは同日、ソンが主演したドラマの放送を見合わせると発表。いずれも21日から放送予定だったが、視聴者からの批判などを考慮したようだ。

 竹島付近に到着したのはソンのほか、歌手キム・ジャンフン(47)、体育大学の水泳部の学生ら約40人。共同電によると、13日に韓国東部蔚珍の海岸を出発し、約220キロの距離を約49時間かけて交代で泳いだとみられる。韓国メディアによると15日午前、竹島に接近。波が高く、同行した船は接岸できず、大学生2人が代表して泳いで島に上陸した。

 こうした行動が、主演ドラマの放送にも影響が出た。2010年に制作された「神と呼ばれた男」を21日から放送予定だったBS日テレは放送延期を発表。別の俳優が主演している韓流ドラマ「夜叉―ヤチャ―」に差し替える。同局広報部は「編成上の理由で別の韓流ドラマの再放送を優先した」と説明。ただ同局の別の関係者によると「竹島問題を踏まえての決定」といい、視聴者からの抗議や批判を受ける可能性を考慮したという。

 BSジャパンは昨年制作された最新作「強力班」を延期する。同局は「諸般の状況にかんがみ、視聴者の意見も参考に検討した結果、見合わせることにした」とコメントした。

 ソンは98年にテレビのオーディション番組に合格して芸能界デビュー。06年5月から約1年間放送された主演歴史ドラマ「朱蒙」は韓国で最高視聴率51%、平均視聴率41%を記録する大ヒットとなった。

 竹島は、54年に韓国が一方的に実効支配を開始。今月10日には李明博大統領が、同国大統領として初めて上陸した。同日のロンドン五輪サッカー3位決定戦では、日本に勝った韓国の選手が試合直後に「独島はわれわれの領土」と書かれたボードを掲げ、国際オリンピック委員会(IOC)が調査に乗り出す問題に発展している。

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2012年8月16日のニュース