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「臨場 劇場版」ヒットの裏に死体役の“無言の熱演”

 変死事件の死体を調べる検視官を描いた映画「臨場 劇場版」が公開1週間で好調な初動を見せている。話題になっているのが死体役の俳優たちの演技。迫真の検視現場が作品の見どころのひとつだけに、体を調べられたり、触られたりするシーンが長々と続くが、ピクリとも動かない。“物言わぬ熱演”を見せる死体役の苦労とこだわりを聞いた。

 冒頭に登場する無差別通り魔事件の撮影。「目を開けて死のうか」。橋本一監督が、犠牲者を演じる女優の前田希美(19)に指示を出す。無差別犯に突然襲われた恐怖を死後の表情ににじみ出すための演出。12月の震えるような寒さの中、前田は冷たいコンクリート上に準備された血の海に横たわった。

 血のりが体中に付いているので、リハーサルを終えても体勢は変えられない。横になったまま本番を待つこと約3時間。動けない本人に代わってスタッフが体をさすって温める。監督の「よーい、スタート!」の合図で本番のカメラが回ると、目を見開き、凍ったように全身を固まらせた。

 撮影は1分以上。全身をとらえた後、恐怖と無念を感じさせる表情をアップで切り取る。その間、小鼻も、まぶたもピクリとも動かない。母親と無言の対面を果たす場面では数分にわたって頭や体を激しく揺さぶられたが、微動だにせず、凄惨(せいさん)な事件の犠牲者になり切った。

 前田は「撮影の間は鼻や口、胸が動かないよう息を止めてます。カメラを長回しする時は、直前に大きく息を吸ってゆっくり吐くと長持ちするんです」と体や顔を動かさないコツを説明。13歳でデビューし、15歳で映画「携帯彼氏」(09年)で死体役に初挑戦。「死後の自分を見られるという不思議さが楽しかったのと、死に方にもさまざまな演技があると知り、またやりたいと思った」そうで、何度も死体役を演じてきた。それでも、目を開けた死体は初めてで「まぶただけでなく瞳も動かせないから、凄く難しい。目の前で人が動いても瞳が反応しないよう必死に焦点を遠くに合わせました」と振り返る。

 一方、検視だけでなく司法解剖まで受ける死体を演じたのが俳優の菅原大吉(52)。無差別犯の弁護士で、何者かに殺害されるという設定。冷たいステンレス製の解剖台に裸で横たわり、特殊メークで傷痕を作った体のあちらこちらを押したり触られたりした。

 冷え切った体で身動きも取れない役だからこそ分かったのが周囲の気遣い。検視官役の松下由樹(43)は本番直前まで手を温め、菅原の体が少しでも冷えないよう配慮してくれたという。「スタッフさんも照明の熱で体を温めてくれた。普段より周囲の思いやりを感じた」と死体役ならではの経験を紹介。演じるコツを聞くと「そんなの僕が知りたいくらい」と苦笑い。「皆さんに囲まれて検視を受けたり棺おけに入ったりすると、どうしても死について考える。死んだらこんなふうになるのかと思っていると、力が抜けて自然に演じられた」と話す。

 物も言わず、顔も体も動かさない死体役。前田は「ただ横たわって、じっとしているだけならマネキンと変わらない。死者の最後のメッセージを表情や姿勢で伝えられればと思ってます」とこだわりを語った。

 ▽「臨場 劇場版」 東京・吉祥寺で無差別通り魔事件が発生。だが、犯人(柄本佑)は裁判で心神喪失が認定されて無罪となる。2年後、無罪に導いた弁護士と精神科医が立て続けに殺害された。検視官の主人公(内野聖陽)は2遺体に類似点を見つけ、同一犯の犯行とみて真相を追う。

[ 2012年7月8日 09:29 ]

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