NHK ドラマ制作中止で講談社提訴、5980万円の損害賠償

[ 2012年6月21日 19:44 ]

 NHKは21日、ミステリー作家辻村深月さんの小説のドラマ化についての許諾契約を一方的に解除され、制作中止を余儀なくされたとして、出版元の講談社に約5980万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状によると、NHKは、辻村さんの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」をことし5月からBSプレミアムで連続ドラマとして放送することを企画。昨年9月、講談社に提案した。同11月に同社の許諾を得たため、キャスティングやテーマ曲の作曲依頼など準備を進めた。

 しかし、その後、講談社が辻村さんの意向として脚本の修正を要請。NHKとの間で協議が続けられたが、ことし2月に講談社が許諾の撤回を申し出たため、クランクインすることなく制作は中止された。

 NHKは、多くの修正要望に応じたことなどを根拠に、一方的な解除が不法行為に当たると主張。スタッフへの業務委託費用や出演者のキャンセル料などのほか、撮影開始直前での制作中止によりテレビ業界での信用を毀損されたとして、賠償を求めている。

 講談社は「原作の改変が著者の意向に大きく反していたことから、ドラマ化を見送りたい旨を伝えました。このような事態になり大変残念」とコメントしている。

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2012年6月21日のニュース