直木賞作家 邱永漢さんが死去 「お金もうけの神様」として人気に

[ 2012年5月18日 11:03 ]

死去した邱永漢さん

 直木賞作家で経済評論でも知られた邱永漢(きゅう・えいかん、本名丘永漢)さんが16日午後7時42分、心不全のため死去した。88歳。台湾生まれ。

 葬儀・告別式は近親者のみで行い、後日「お別れの会」を開く。喪主は妻亜蘭(あらん)さん。

 日本統治下の台湾・台南で生まれ、旧制台北高校から東大に進学。卒業後、台湾に戻ったが、戦後の台湾独立運動に関係したとして国民党政府の弾圧を受けて香港に逃れた後、再び日本へ。1956年、小説「香港」で直木賞を受賞した。

 その後は日中の文化比較や食文化などをテーマに多くの著作を発表。高度経済成長期やバブル経済期には、株や不動産への積極的な投資を背景にした経済評論でも知られ「お金もうけの神様」として人気があった。

 晩年も、中国でコーヒー園を経営するなど多角的な事業を展開するとともに、旺盛な執筆活動を続けた。著書は「食は広州に在り」「中国人と日本人」「お金持ちになれる人」など多数。

 80年に日本国籍を取得した。

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