ガガ インドネシア公演中止か?イスラム団体妨害表明

[ 2012年5月17日 06:00 ]

7日、香港で行われたレディー・ガガのコンサート

 インドネシア国家警察が16日までに、米歌手レディー・ガガ(26)が6月3日に予定しているジャカルタ公演について、開催を許可しないと発表した。ガガのライブパフォーマンスをめぐり、イスラム教系の団体が「悪魔の教義をもたらす」「パンツとブラしか着用しない下品な歌手。とても危険」などと批判、妨害行為を予告している。

 世界最多のイスラム教徒が住むインドネシアでは、イスラム系の宗教家や一部政党が「ガガは不道徳でわいせつ。若者を堕落させる」などと主張。大胆な露出など過激なパフォーマンスが、イスラム教の禁忌「ハラム」にあたるとして反発している。

 有力団体幹部は「コンサートにはこの国の道徳を破壊する意図がある」と、国内教徒に公演に行かないよう訴えていた。また暴力的活動で知られる強硬派グループ・イスラム防衛戦線は「力ずくで阻止する」と、空港でガガ入国を阻止する計画も表明。「コンサートが開かれた場合、何が起きるかは保証できない」との声明を出していた。

 共同電によると、当局は安全の確保が困難と判断。開催を許可しない判断を下した。

 事実上、公演は中止になる公算が大きい。

 ガガは4月末からアジア、オセアニアと欧州を回るツアーを展開中。韓国でも、保守的なキリスト教団体が「パフォーマンスがわいせつ」として中止を要請、韓国当局が18歳未満の入場を禁止する騒動になっていた。

 ガガは過度の露出やセクシーなダンスがクローズアップされる一方、東日本大震災の被災者支援など模範的な活動でも有名。インドネシアでもファンは多く、公演のチケットは2時間で約2万5000枚が売れ、計4万枚のうち、8割近くが売れていたという。

 同国のファンは公演不許可に反対する活動をツイッターで展開。インターネット上には「ガガの公演を2時間見たからといって、インドネシア人がどうにかなるなんてバカバカしい。彼女はテロリストじゃない!」などの書き込みも見られた。

 来日していたガガは16日午後、成田空港から空路、台湾入りした。インドネシア公演主催者は地元英字紙に「許可申請のプロセスは進行中」とし、調整を続けることを明らかにした。

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