国際的プリマドンナ 大谷洌子さん 93歳で死去 紅白歌合戦にも出場

[ 2012年5月9日 11:07 ]

 戦前にデビューし、プリマドンナとして国際的に活躍した声楽家の大谷洌子(おおたに・きよこ)さんが8日午後5時35分、呼吸不全のため東京都新宿区の東京医科大病院で死去した。93歳だった。

 広島市出身。葬儀・告別式の日取りは未定。喪主はおい立二(りゅうじ)氏。

 1940年武蔵野音楽学校(現武蔵野音大)卒。藤原歌劇団にプリマドンナとして迎えられスターとなり、ソプラノ歌手として「蝶々夫人」「ラ・ボエーム」など数多くのオペラで活躍。中でも「椿姫」のビオレッタが当たり役となった。

 52年から米ニューヨークやイタリア・ミラノに留学。60年には「夕鶴」のニューヨーク初演で主役を務めた。歌唱と演技に磨きをかけて活躍の場を国際的に広げ、55年の第6回NHK紅白歌合戦にも出場した。

 76年にはイランで「蝶々夫人」を演出。後進の指導にも力を入れ、豊富な経験を生かした演出や教育ぶりは高く評価された。

 くらしき作陽大名誉教授、藤原歌劇団名誉団員。89年に勲四等宝冠章を受章した。

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2012年5月9日のニュース