シンディ・ローパー 思い歌に込め「ガンバッテ」

[ 2012年3月12日 06:00 ]

コンサート前に会見を行ったシンディ・ローパー

東日本大震災から1年

 昨年の震災当日に来日し、予定通りツアーを行った米歌手シンディ・ローパー(58)の再来日公演が、東京の渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開かれた。

 「福島へ、そして被災地へ。私の愛を、勇気を送りたい。ガンバッテ。最後に“癒やしの歌”を歌います」。約2000人の観客が総立ちで見守る中、あいさつ。1986年のヒット曲「トゥルー・カラーズ」を歌い出した。♪笑顔を見せて。落ち込まないで。耐えられなくなったら私を呼んで。いつでもそばにいるから――。曲の途中、被災者への支援を示すため、Vサインを作った右手を高々と上げた。

 岩手、宮城、福島各県の映画館4館で生中継され、約2時間のステージは被災者を意識した構成。冒頭では「皆さんガンバッテ。一緒に歌って!」とメッセージを送った。中盤では69年に米歌手ペギー・マーチがヒットさせた日本語の曲「忘れないわ」を熱唱。「ワスレナイワ、アナタヲ」と伸びやかな声で歌った。

 午後2時46分にはリハーサルを中断し、ステージ上で黙とう。開演前の会見では、前日10日の公演に福島から来場した日本人の友人とのエピソードを披露。「“これは放射能は大丈夫よ”と福島のお菓子を手渡された。自分が心配される立場なのに私の心配をして。涙が出たわ」と話した。

 「トゥルー…」を歌い終える直前、観客も次々とVサイン。ホールが一つになって被災地にパワーを送った。

続きを表示

2012年3月12日のニュース