【1977年3月】フィーリング/ハイ・ファイ・セット 今がチャンス!カバーでブレーク

[ 2012年3月8日 06:00 ]

 ★77年3月ランキング★

1 失恋レストラン/清水健太郎
2 カルメン77/ピンク・レディー
3 フィーリング/ハイ・ファイ・セット
4 S・O・S/ピンク・レディー
5 マイピュアレディー/尾崎亜美
6 やさしい悪魔/キャンディーズ
7 昔の名前で出ています/小林旭
8 青春時代/森田公一とトップギャラン
9 想い出の樹の下で/岩崎宏美
10 ヘッドライト/新沼謙治
注目Hi―Hi―Hi/あおい輝彦
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【フィーリング/ハイ・ファイ・セット】

 今がチャンス、とばかりディレクターは勝負に出た。

 「竹田の子守唄」「翼をください」のヒットを飛ばした「赤い鳥」の元メンバー3人で結成した、ハイ・ファイ・セットは、デビュー2年目を前に大きな転機を迎えていた。

 松任谷由実の提供によるファーストシングル「卒業写真」は、ユーミンが歌ってヒットしたのとは裏腹に泣かず飛ばず。今後の展望も開けぬ中で、76年4月にリリースした「冷たい雨」がスマッシュヒット。なんとかひと息ついた。

 元々知名度はあった3人。後は当時としては先端を走っていた“大人のポップス”をどう世間に浸透させるかという段階に入った。そのためには、いわゆる売れる曲を出さなければならない。慎重に選曲していたところ、1曲の外国の歌が耳に入った。

 ブラジルのシンガーソングライター、モーリス・アルバートが歌った「愛のフィーリング」は、原曲も日本で静かなブームを呼んでいた。日本で活動するフィリピンのバンドも歌うなど、カバー曲として広がりをみせていた中で、これを日本語でと考えたスタッフは、なかにし礼に訳詞を依頼。ボーカルの山本潤子の透き通った声とともに、ハイ・ファイ・セットの売りであるハーモニーが十分に生かされ、アダルトポップスとして、30代前後の層に受け入れられ、レコード売り上げ57万枚大ヒットにつながった。

 蝶ネクタイにタキシードの男性2人と、ロングドレスを身にまとった女性が振り付きでアダルトポップスを歌うというスタイルは当時珍しく、歌謡曲主流の時代にそれが逆に都会的センスに映り、敷居の高さを感じさせた。

 それでも次第に彼らのハイセンスな歌声が認知されるようになると、同様のグループも出始めた。男女4人組で「Mr.サマータイム」や「アメリカン・フィーリング」をヒットさせた、サーカスなども、ハイ・ファイ・セットの流れを汲んだグループである。

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2012年3月8日のニュース