草食系男子の成長熱演!森山未來 役者人生さぁ「モテキ」 

[ 2012年1月18日 06:00 ]

<毎日映画コンクール 男優主演賞>役どころと打って変わって、受賞をクールに喜んだ森山未來

2011年毎日映画コンクール・男優主演賞

 自らの戦争体験をもとに時代に翻ろうされながらも懸命に生きようとする人々を力強いタッチで描いた新藤兼人監督(99)の「一枚のハガキ」が日本映画大賞に輝いた。女優主演賞は「毎日かあさん」の小泉今日子(45)が「快盗ルビイ」(88年)以来2度目の栄冠。男優主演賞は「モテキ」の森山未來(27)が初受賞した。田中絹代賞には大楠道代(65)が選ばれた。

 歌あり、下ネタあり、突然のミュージカルシーンありのハイテンションなラブコメディーでの受賞。森山は「この作品が映画賞で評価されたことが単純にうれしい」と、役どころと打って変わってクールに喜んだ。

 テレビ東京で放送された深夜ドラマの映画化。演じたのは、異性から突然ちやほやされる時期「モテ期」に襲われた恋愛べたな主人公。草食系男子の殻に閉じこもった雰囲気から、ためこんだ感情を爆発させる「叫び」のナレーション、3人組テクノユニット「パフューム」と一緒に踊るシーンまで振り幅の広い演技で観客をうならせた。

 「ドラマではいろんな女性に恋愛したのに、今回は一人の対象に熱烈な思いを寄せて突き進んだ。ドラマで築いたベースに、キャラクターの人間としての成長を加えられたことで振れ幅を自然に出せた」

 ダンススタジオを経営する母親の影響で、5歳からジャズダンスを始め、芸能界でもダンスで頭角を現した。それだけに芝居部分から突然、踊り出すシーンにはこだわりがあったようで「導入部分に命を懸けました。うそをいかにうそにしないか。そのさじ加減をじっくりイメージして演じました」と振り返る。

 主人公がいちずに恋するヒロインを演じたのは長澤まさみ(24)。「世界の中心で、愛をさけぶ」以来、約7年ぶりの共演だった。

 「まっさん(長澤)も僕も“世界の…”をやったことで、いろんなものを得たし、人生がガラッと変わった。そのことと向き合いながら生きてきた7年間。僕とまっさんにしか分からない空気はありましたし、共犯者のような感覚でした」

 映画は興行収入20億円を超え、「モテキ」という言葉が昨年の新語・流行語大賞にノミネートされるなど社会現象も生み出した。「人とかかわるエネルギーを求めているのでしょうかね。(社会現象になったことは)役者冥利(みょうり)に尽きます」。言葉に力がこもった。

続きを表示

この記事のフォト

2012年1月18日のニュース