気仙沼から希望の歌を…被災シンガー熊谷育美 合唱曲で人気上昇中

[ 2011年12月28日 09:26 ]

8月に地元気仙沼市で児童合唱団と歌う熊谷育美

 宮城県気仙沼市在住のシンガー・ソングライター熊谷育美(26)の楽曲が合唱歌として注目を浴びている。

 地元の未来を前向きな視点で歌った「僕らの声」「雲の遥か」の2曲で、全国の小中高校や看護学校などで披露した際に生徒たちから「みんなで歌いたい」との声が殺到。申し込みがあった学校の合唱部など約200団体へ楽譜を提供した。

 自身も東日本大震災で被災し、惨状を目の当たりにした。その悲しみを乗り越え、4月から全国の学校などで継続的に行っているライブがきっかけ。関係者によると、メッセージ性の強い楽曲を実際に聴いた生徒たちから「みんなで歌いたい」という要望が高まったため、11月から公式サイトで楽譜の配布を始めたという。

 震災から5カ月たって作った「僕らの声」は♪どうか忘れないで僕らはここにいる 歩いて行こう 足跡つけて ここから明日へ――というシンプルな歌詞。10月に発売されたアルバム「その先の青へ」に収録されており「明日への未来を担う子供たちと一緒に歌いたい」という思いが込められている。

 そうした気持ちが若い世代の心に響いていることについて、熊谷は「気持ちを合わせて歌うことで、未来への勇気と希望を分かち合って生きていくという強い意志が、私には伝わってくる」と喜んでいる。

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