世界へ向けて語った 役所広司「映画の外交力を信じている」

[ 2011年12月10日 15:09 ]

映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」記者会見に登場した(左から)小滝祥平プロデューサー、役所広司、成島出監督
Photo By スポニチ

 俳優の役所広司(55)が10日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で行われた主演映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」の会見に成島出監督らと出席した。

 役所が演じた山本五十六は、これまでも多くの役者が演じてきた。役所自身も「子どもの頃に見た映画での、三船敏郎さんの山本五十六さんのイメージがほとんどだった」という。今回は成島監督が「人間的な魅力があってチャーミング」と形容する山本五十六を演じているといい、「チャーミングな役所広司です」と笑顔であいさつし、笑いを誘った。

 いろいろな見方がある役どころではあるが、「この映画がやっと完成し、この映画に参加できて本当に良かった。日本のお客さんが太平洋戦争のことを改めて考えてくれるようになるとこの映画は大成功。世界中の人にこういう戦争があったと知ってもらえると、作った人間としては幸せです。映画の力は本当に下手な外交よりもとても外交手段としてはいいものだと信じています」。

 この日の会見は日本外国特派員協会で行われた。外国人記者も多かったため、太平洋戦争、真珠湾攻撃は日本が加害者なのでは?との質問も多数あった。「外交が行き詰まり、軍人としてどうしてもやらなければいけないなら、一番米国のことを理解している山本さんがとった真珠湾攻撃という奇襲は日本にとっては一番早く戦争が終わる手段だったんだと思う。ただ、この映画は山本五十六をヒーローとも正しい決断をした人だとも描いていない。悲劇的にドラマティックにも描いていない。その時代のことを考えてもらえる映画になっていると思う」と誠実に答えた。

 1941年12月8日、真珠湾攻撃によって太平洋戦争の端緒を開いた戦略家として広く知られる連合艦隊司令長官・山本五十六の実像を描いたエンタテインメント大作。23日に全国公開。

続きを表示

この記事のフォト

2011年12月10日のニュース