「KARA」ギュリ出演ミュージカル 上演差し止めも

[ 2011年9月16日 06:00 ]

ミュージカル「美女はつらいの」のポスター

 10月から大阪で上演予定の韓国ミュージカルをめぐり、原作とされる人気漫画の作者鈴木由美子さん(51)が「著作権を侵害された」として、上演差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てたことが15日、分かった。同舞台は人気グループ「KARA」のギュリ(23)らが出演し、総売り上げ約4億円が見込まれている大規模公演。既にチケットは発売されているが、全公演中止になる可能性まで出ている。

 問題のミュージカルは「美女はつらいの」のタイトルで、08年に韓国で初演。日本公演は大阪松竹座で10月8日~11月6日の全36公演が予定されており、ギュリや男性グループ「超新星」のソンジェ(24)ら韓国の人気アイドルが出演。7月に行われた製作発表には多数の報道陣が詰めかけた。

 チケットは1等席で1万2000円と高額で、チケット料だけで4億円近くの売り上げが見込まれている大規模公演。キャストはすでに稽古に入っており、チケットも「順調に売れている」(関係者)という中で、全公演が吹っ飛ぶかもしれない事態になった。

 原作とされるのは「白鳥麗子でございます!」がテレビドラマ化されるなど人気作品も多い、鈴木由美子さんの「カンナさん大成功です!」(講談社)。1997年に発売され、国内で約320万部発行されているベストセラー作品。06年に「美女はつらいの」のタイトルが付けられ、韓国で映画化。日本でも上映された。映画化権については鈴木さんが著作権を管理する講談社を通じ、韓国の「GENESIS」社に許諾した。

 その後、作品のミュージカル化についても映画を共同製作した韓国の「KM culture」から講談社側に許諾申請があったが、交渉で合意に至らず、KM側は契約を結ばないまま韓国でミュージカルを上演。日本公演は今年6月に松竹が発表し、講談社は松竹と話し合いを続けてきたが、交渉がまとまっていなかったという。

 鈴木さんは講談社を通じ「キャラクターとストーリーが自分のものと認められず悲しい」とコメント。講談社は最終的な“落としどころ”について「金銭面でどうしたいというのではなく、公演をやめてほしいというもの」と強調し、あくまで公演の全面中止を求めていく構え。松竹は「KM側から日本での上演権を受けており、著作権の問題は講談社とKM側とでクリアになっていたと思っていた」と困惑。

 また、日本原作の韓流作品をめぐり日本企業同士が裁判で争う異例の展開にも「これまで講談社さんとはビジネスパートナーとしていい関係を築いており、突然のことに大変驚いている。今後は代理人を立てて話し合いをしていきたい」(松竹)としている。

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2011年9月16日のニュース