水戸黄門放送終了へ 国民的人気も近年は視聴率低迷

[ 2011年7月15日 11:35 ]

水戸黄門第43部の製作発表に出席した(左から)内藤剛志、雛形あきこ、東幹久、里見浩太朗、的場浩司、林家三平

 TBS系の時代劇「水戸黄門」が、現在放送している第43部で終了することが15日、同局関係者の話で分かった。「この紋所が目に入らぬか!」などの名せりふで親しまれてきた国民的人気番組は、視聴率の低迷などもあり40年余りの歴史に幕を下ろすことになった。

 第1部が始まったのは1969年で、放送回数は既に1200回を超えている。黄門一行が旅先で出くわした悪人を懲らしめる勧善懲悪の分かりやすいストーリーと、「助さん」「格さん」「うっかり八兵衛」や、由美かおるさんが演じた女忍者など、主人公の「黄門さま」を取り巻くキャラクターたちが愛された。

 主人公水戸光圀役は、初代東野英治郎さんの後、西村晃さん、佐野浅夫さん、石坂浩二さんと続き、2002年からは、助さん役を長く演じた里見浩太朗さんが務めている。

 1979年2月5日放送の第9部最終回で43・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という最高視聴率を記録したが、最近は10%前後と視聴率が低迷していた。

 最終回の放送は12月19日の予定。

 ▼時代劇研究家のペリー荻野さんの話 家族みんなで楽しめるドラマが少なくなる中、親子3世代で楽しめる「ドラマのお父さん」とも言うべき存在だっただけに、残念の一語。その人にとっての黄門役者を聞けば世代がわかるという、みんなの「アルバム」のようなものだっただけに、後からじわじわこみあげてくるのではないのか。40年培ってきた時代劇の技術継承のためにも、いつか復活してほしい。

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2011年7月15日のニュース