楳図かずお氏 本格歌手デビュー!CD特典は!?

[ 2011年7月4日 10:00 ]

CD購入者から20人を自宅の“まことちゃんハウス”に招待する楳図かずお氏。

 「おろち」「まことちゃん」などの作品で知られる漫画界の巨匠・楳図かずお氏(74)が本格歌手デビューする。自作詞の演歌「新宿烏」を今月27日に発売。赤と白のボーダーの外壁で有名な都内の“まことちゃんハウス”に、CD購入者から20人を招待する特典付きだ。過去に楽曲を発表したことがあるが、「今後は生涯歌手」と宣言。漫画家との二足のわらじで活動する。

 「新宿烏」は、「おろち」(69~70年に連載)の作品中、流しの女性歌手・佳子が新宿の酒場で歌っている曲で楳図氏が作詞。08年の映画化の際に曲がつけられ、谷村美月(21)が歌唱。今回のCD化では、ギターのストリングスが哀愁を誘う、コブシの効いた1曲に仕上がった。

 意外にも音楽への造詣は深い。小4から漫画を描き始めたが、高2にして一度挫折。その際に高校の音楽室に夜な夜な忍び込み、ピアノに触れたことで目覚めた。独学でピアノをマスターし、譜面の書き方も習得。漫画家デビュー後に「1日に1曲作詞していた時期もあった」。

 自らデモテープを作成して売り込み、75年にアルバム「闇のアルバム」を発表。翌76年には郷ひろみの「寒い夜明け」(76年)を作詞。アニメ映画「まことちゃん」(80年)の主題歌も作った。

 しかし、どれも単発作品。漫画家とは別の顔を耳にしていたレコード会社の担当者が昨年末に声をかけたところ、2カ月もたたないうちに10曲以上を作詞作曲。ロックやジャズ、演歌などジャンルもさまざまで、担当者は「素晴らしい才能」と絶賛。CD化の話が進んだ。

 8月31日にはほぼ全曲作詞作曲のアルバムも発売。トレードマークの赤と白のボーダーシャツにちなんで、目指すはNHK紅白歌合戦出場。「僕は紅か白か分からないね。その間なのかな」とおどけた。

 「新宿烏」には「楳図かずおトレーディングカード」を封入。金のカードが当たれば無条件で、銀ならば抽選で、景観問題にもなった東京都武蔵野市の「まことちゃんハウス」に招待、楳図氏と対面できる。「ファンの人は今まで一度も入ったことがない」と言うだけに、激レアな機会となりそうだ。

 ◆楳図 かずお(うめず・かずお)本名楳図一雄。1936年(昭11)9月3日、和歌山県生まれの74歳。55年にプロ漫画家デビュー。66年に「ねこ目の少女」「へび少女」などがヒットしブレーク。代表作「漂流教室」は01年にフジテレビでドラマ化された。音楽はエルビス・プレスリーなど初期のロックを好む。

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