「SASUKE」輸出!マレーシアの肥満解消に一役

[ 2011年5月29日 06:00 ]

プトラジャヤ市で行われたマレーシア版SASUKEの収録

 TBSのスポーツバラエティー番組「SASUKE」がマレーシアに“輸出”され28日、現地で公開収録が行われた。同国では肥満が社会問題化しており、政府はこれを解消しようと同番組を国策として採用。ナジブ首相も視察に訪れる中、参加者86人が高難度のアスレチックに挑んだ。

 収録はプトラジャヤ市で27、28の両日に行われた。巨大セットはイスラム裁判所正面の路上に組まれ、参加者は86人。ナジブ首相も視察に訪れた。

 収録前には、番組でカリスマ的人気を誇る漁師の長野誠さん(39)が試技を披露した。あいにくの雨に見舞われ、競技「ハーフパイプアタック」で滑って失敗。それでも軽妙な身のこなしで現地ファンの喝采を浴びた。

 マレーシアでは30歳以下の50%以上が肥満。世界保健機関(WHO)の調査では、成人の60%がBMI(肥満度指数)の基準値を超えている。肥満率はアジアで6番目の高さで、国民の慢性的な運動不足も深刻だ。

 国民の肥満解消が国家の問題となる中、現地のテレビ局関係者が「SASUKE」を同国の青年スポーツ省に紹介したところ、「国策と合致する」として政府が採用。政府支援で同国版を立ち上げることが決まった。放送局は未定だが、8月31日の同国独立記念日に放送する予定。収録ではケガ人やアクシデントもなかったため、今後も続けていくという。

 番組はさまざまな障害物を、忍者「猿飛佐助」のように軽快にクリアしていくアスレチックゲーム。日本版は全4ステージだが、現地版は第1ステージとファイナルステージのみ。優勝者は自営業のモハメド・パリド・イシャムさん(29)で、近く日本版にも出場することが決まった。

 ≪世界的に人気≫SASUKEは今夏、米NBCでゴールデンタイムに放送される予定だ。現在、153の国と地域に番組が販売されており、世界的に人気を誇っている。番組関係者によると、マレーシアの近隣諸国にも「自国版を作りたい」との要望があるという。

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