なぜ2トップが同時に…石原プロ内の路線対立に渡も憂慮

[ 2011年5月12日 11:44 ]

 社長の渡と小林専務という石原プロの代表権を持つ2人が同時に経営から身を引いた背景には、経営方針をめぐる同社内の路線対立があった。

 小林専務は1965年に石原裕次郎さんの強い要請で石原プロ入り。70年代には多額の負債で経営不振に陥った同社の収支を立て直し、今日につながる基盤を築いた辣腕(らつわん)経営者。石原プロが存続できたのは同専務の多才な企画力と強力なリーダーシップがあったからにほかならない。

 しかし、ここ数年は持病の糖尿病の進行などが影響し、次代へ向けた戦略が描ききれなかったのも事実。軍団と呼ばれるほどの鉄の結束を重視する体育会的社風についていけなくなる社員も現れ、「この数年で10人の社員・スタッフが辞めた」(石原プロ関係者)という。

 従来のスタイルにこだわる専務と方針転換を求める他の幹部との対立も生まれ、会社の解散すら取りざたされるに至った。この状況を憂慮した渡が「自分も身を引くから」と引退を勧めたことに対し同専務も社内対立の深刻化を望まず、引退を決意したというのが、実態だったようだ。

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2011年5月12日のニュース