エリザベス・テーラーさん逝く…79歳

[ 2011年3月24日 06:00 ]

2007年当時のエリザベス・テイラーさん

 「ジャイアンツ」「クレオパトラ」などの名作映画に主演し、リズの愛称で親しまれた米女優エリザベス・テーラーさんが23日、米ロサンゼルスの病院で死去した。79歳。英国のロンドン出身。うっ血性心不全で6週間前から入院していた。美人女優としてハリウッドの黄金期を支える一方、結婚を8回するなど私生活でも話題を振りまいた。故マイケル・ジャクソンさん(享年50)と親交が深かったことでも知られた。

 テーラーさんは2月7日、定期検査のため、酸素チューブを付けて車椅子で病院に入った。痩せた姿ながらも、巨大なイヤリングに真っ赤な口紅で、往年の大女優の貫禄を見せつけたと米メディアが伝えていた。ただ体調は思わしくなく、同12日にロサンゼルスの病院に入院。そのまま帰らぬ人となった。

 ハリウッド黄金期の代名詞とも言える女優だった。42年にMGMと7年契約を結び、「緑園の天使」「若草物語」などに出演。10代でスターの仲間入りをした。美貌に演技力が加わり、28歳の時に「バターフィールド8」でアカデミー主演女優賞を初受賞。「バージニア・ウルフなんかこわくない」(66年)ではリチャード・バートンさんと緊迫感のある心理劇を展開。演技派への脱皮を印象づけ、2度目の同賞を手にした。

 私生活の話題も欠かなかった。18歳で米大手ホテルチェーン創業者の息子のコンラッド・ニコルソン・ヒルトン氏と結婚し、8カ月で離婚。その後も、共演したリチャード・バートンさんと2度結ばれるなど、7人と計8回結婚した。特に最後の夫で年下の建設作業員のラリー・フォーテンスキー氏とは20歳の年齢差で世間を驚かせた。自伝映画の話が浮上すると「私を演じられるのは私だけ」と語った。

 80年代に入り映画出演が減ってくると、今度はエイズ撲滅キャンペーンに尽力。92年にロンドンで開催された「クイーン」のフレディ・マーキュリーさん追悼公演では、エイズ予防啓発のためのスピーチも行った。

 マイケルさんとは“孤高の大スター”同士で気が合ったのか親友関係だった。マイケルさんがスキャンダルに見舞われたときも常に好意的な声明を発表し勇気づけた。09年6月、マイケルさんの悲報に接したときには自宅で気を失い入院。その後、「何ものも私たちを引き離せない」とコメントし、葬儀に車椅子姿で参列した。

 晩年は病気に悩まされた。97年には脳腫瘍を摘出。翌年には自宅で転倒し入院。重病説、寝たきり生活説などがささやかれたが05年、米テレビのトークショーに出演し噂を否定したこともあった。この5年ほどは入退院を繰り返していた。

 ◆エリザベス・テーラー 1932年2月27日、ロンドン在住の米国人の両親のもとに生まれた。戦禍を避けるため7歳の時に一家で米国へ移住。大作「クレオパトラ」(63年)で絶世の美女を演じた際のギャラは当時では破格の100万ドル。

◇エリザベス・テーラーさんの主な出演映画◇
43 名犬ラッシー 家路
44 ジェーン・エア
〃  ドーヴァーの白い崖
45 緑園の天使
46 名犬ラッシー/ラッシーの勇気
48 スイングの少女
〃  奥様武勇伝
49 若草物語
50 花嫁の父
51 可愛い配当
〃  陽のあたる場所
52 黒騎士
54 ラプソディー
〃  巨象の道
〃  雨の朝巴里に死す
56 ジャイアンツ
57 愛情の花咲く樹
58 熱いトタン屋根の猫
59 去年の夏 突然に
60 バターフィールド8
63 クレオパトラ
〃  予期せぬ出来事
65 いそしぎ
66 バージニア・ウルフなんかこわくない
67 じゃじゃ馬ならし
〃  禁じられた情事の森
68 夕なぎ
〃  秘密の儀式
74 別離
〃  ザッツ・エンタテインメント
76 青い鳥
80 クリスタル殺人事件
85 南北戦争物語 愛と自由への大地
88 スカニーニ 愛と情熱の日
94 トフリントストーン/モダン石器時代
04 トゥルーへの手紙 

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