世界のナベアツ 落語家転身!師匠は“三”枝

[ 2011年3月3日 06:00 ]

落語家への転身を決め、桂三枝(左)への弟子入りを表明した世界のナベアツ

 お笑いタレントの世界のナベアツ(41)が2日、上方落語協会会長の桂三枝(67)に同日付で弟子入りしたと発表した。落語家への転身は10年前からの夢で、ギャグは一切交えず「人生を懸けます」と宣言。同日付でコンビ「ジャリズム」も解散。今秋から修業を始め、三枝から高座名も与えられる予定。年内で「世界のナベアツ」としての活動を終える。

 「3の倍数と3が付く数字だけアホになる」ギャグで大ブレークしたナベアツが“三枝”に入門。ネタのような話だが本人は真剣。師匠同席のもと「41歳からのスタートですが、人生懸けます」と直立不動で宣言した。

 1年半ほど前に三枝とテレビで共演した時、新作落語の創作に熱心な姿に感動。落語家への夢が再燃した。昨年11月、初監督映画が無事に公開され、仕事が一区切り。「このタイミングしかないと、弟子入りを願い出ました」と明かした。

 今年1月13日に直接、頭を下げられた三枝は「最初は芸の幅を広げたいだけかと思った」。決意が固いことを知り、吉本興業の吉野伊佐男会長や弟子17人と相談。「志あるものには門戸を開こうと入門を許した」という。「三枝一門にいらっしゃい」の文字に弟子17人のサインが入った色紙を持参。ナベアツに手渡し“入門許可証”とした。

 会見には吉野会長も同席し「東京に上方落語を広める存在になってほしい」とエール。緊張した面持ちのナベアツは、報道陣から“3のギャグ”をリクエストされても「きょうはやる場所ではないです」と言い、一切応じなかった。

 放送作家としても活躍しているが、徐々に整理し、今秋からは落語一本にする意向。関西には関東のような前座制度がないため、すぐ高座に上がることも可能だが「2、3年は修業」と三枝。その間は基本的に無給になるという。

 三枝一門は全員、高座名に「三」が付く。ナベアツは「3には縁がある。一生付き合う運命の数字」と高座名に思いをはせた。なお相方の山下しげのり(42)はオモロー山下に改名、ピン芸人で活動を続ける。

 ≪志の輔、早くもラブコール≫落語家の立川志の輔(57)が早くもナベアツにオファーを出した。この日、司会を務めるNHK「ためしてガッテン」(水曜後8・00)が700回を迎え、都内で会見。「僕が落語をする時のゲストに」とラブコール。不惑での転身にも「落語家のベースはサービス精神。それはあるんだから大丈夫」と太鼓判を押した。

 ◆落語家に入門、または落語に挑戦した芸能人

 ▼三林京子(女優) 桂米朝に95年に弟子入り。3代目桂すずめの高座名で、米朝一門会などに出演。

 ▼山崎邦正(タレント) 08年に月亭八方に弟子入りし、月亭方正の高座名で活躍中。兄弟子・月亭八光と二人会を開催。

 ▼南原清隆(ウッチャンナンチャン) 高校時代には落語研究会に所属。07年の大銀座落語会では「芝浜」を口演。

 ▼ジュニア(千原兄弟) 08年の大銀座落語会で江戸落語「死神」を披露。

 ▼ビートたけし(タレント) 立川談志が83年に創設した団体「落語立川流」に入門。立川錦之助の名を持つ。 

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