佐久間一行R―1制覇「あきらめないで良かった」

[ 2011年2月12日 06:00 ]

「R-1ぐらんぷり2011」で優勝した佐久間一行はトロフィーを手に笑顔を見せる

 優勝賞金500万円をかけた1人話芸日本一決定戦「R―1ぐらんぷり2011」の決勝が11日、都内であり、佐久間一行(33)が、大会史上最多となった参加3572人の頂点に立った。今年から実施されたファイナリスト8人によるトーナメント戦を勝ち抜き、優勝が決まった瞬間、目にはうっすらと涙。「ありがとうございます。信じられません」と喜びを語った。

 若手漫才日本一決定戦「M―1グランプリ」に即席コンビで挑戦するなど、NSCの同期で公私ともに親交の深い昨年の王者・あべこうじに、見事に続いた。芸歴15年で、ついにつかんだピン芸人日本一の称号。第9代王者となった佐久間は「とりあえず、ずっとあきらめないでやってきて良かった」と目を潤ませた。

 2002年の第1回大会から毎年挑戦。07年から3年連続準決勝に進出したが、決勝の舞台は遠かった。さらに昨年は、まさかの2回戦敗退。その悔しさをバネに、初の決勝進出で一気に頂点まで上り詰めた。

 今年から決勝大会のルールが大幅に変更。ファイナリスト8人が1対1で戦うトーナメント方式となった。桂三枝(67)ら7人の審査員が3点の持ち点で、2人に点数を振り分け。11点以上獲得した芸人が勝ち進むという過酷な戦いを制した。

 1回戦では無名の新星・ヒューマン中村(27)を撃破。井戸のお化けに扮し、状況をミュージカル調で説明するネタで爆笑を誘った。続く準決勝では、今もっとも勢いがあるスリムクラブ真栄田と激突。フリップで「こんなことあるよね」という状況を説明するネタで圧勝した。

 最後の戦いの相手は初のファイナル進出で一気に最終決戦まで駆け上がってきたAMEMIYA(33)。中学校の休み時間という設定で昆虫の気持ち悪さをしゃべる1人コントを披露し、審査員7人の記名投票で6票を獲得。優勝賞金500万円と副賞の関西テレビでの冠番組を手に入れた。

 クオリティーの高いネタを3本揃えなければ優勝できないという“真の実力”が問われる戦い。「15年やってきて初の決勝。その分、ネタの数はありますから」と話していた通り、ネタ数の豊富さで王者にふさわしいパフォーマンスを展開。戴冠劇は当然だった。

 ◆佐久間 一行(さくま・かずゆき)1977年(昭52)9月3日、茨城県出身。東京NSC2期生。Tシャツにジャージー姿で次々とギャグを繰り出し「ついてこ~い」と呼びかけるネタで注目を集める。絵も得意で舞台のポスターなどを自ら手がけることも多い。

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2011年2月12日のニュース