妻夫木聡 区切りの初戴冠!でも「体に…」

[ 2011年1月26日 06:00 ]

ブルーリボン賞・主演男優賞に輝いた妻夫木聡

ブルーリボン賞 主演男優賞

(1月25日)
 東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ7紙の映画担当で構成)が選ぶ第53回(2010年度)ブルーリボン賞の各賞が25日、決定した。主演男優賞は「悪人」に主演した妻夫木聡(30)が初受賞。主演女優賞は「キャタピラー」の寺島しのぶ(38)、作品賞は中島哲也監督(51)の「告白」が選ばれた。

 「30歳の区切りの年にもらえてうれしい」。20代最後の作品で、節目の年のブルーリボン賞初戴冠は喜びもひとしおだ。

 これまではオファーが届いた作品をやってきたが、「いつもと違う一歩を踏み出せた」と転機になったのが「悪人」。原作に衝撃を受け、映画化権が東宝にあるのを調べた。難しい題材のため企画が頓挫していることを知り、プロデューサーと組んで「僕がやります」と企画を通した。

 殺人を犯し、偶然出会った女性(深津絵里)と逃避行する土木作業員。心を閉ざした原作のキャラクターをまねるのではなく、自由に生きた。

 「役作りは引き算。自我を捨てていきました」と自分の中から「妻夫木聡」という人間を限りなく消した。「自殺をする人の気持ちが分かるようになったりして…」。役への追究が、深津の第34回モントリオール世界映画祭最優秀女優賞受賞の助力となり、昨年9月の初日舞台あいさつでの男泣きにつながった。

 一方で「完全に役が抜けきったのか分からない。最近まで眠れませんでしたし」と代償の大きさを明かす。それでも「いやあ、体によくないですね。これからは」と楽しそうに話すのが俳優妻夫木聡だ。「30歳になって思ったことは人間って一生子ども。だからあらためて全力でダッシュしてみたい。自由に」。次のステージの幕が開けた。 

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