南田洋子の容態厳しく…長門裕之「時間の問題」

[ 2009年10月21日 06:00 ]

多くの報道陣が集まる中、南田洋子の病状について会見する長門裕之

 17日に自宅でくも膜下出血を起こし都内の病院に搬送された女優の南田洋子(76)の病状について、夫で俳優の長門裕之(75)が20日、東京・浜町の明治座で会見を行い「重度のくも膜下出血で自力で呼吸できない」と明かした。病室で南田の顔に一生分のキスをしたという。「希望は持たない。時間の問題」と予断を許さない状況を説明した。

 長門は3日から明治座の川中美幸特別公演「幸せの行方 お鳥見女房」に出演中。この日も舞台を済ませてからの会見となった。
 南田が自宅で意識障害を起こし救急搬送されたのは17日午後9時ごろ。緊急手術の前に医師から「3分の1の確率で死亡し、3分の1の確率で植物状態になり、3分の1の確率で入院前の状態に戻る」と説明された。現在は意識が戻らず、自力で呼吸ができない状態という。
 「医師からは“もう治療はしません”と言われた。いま呼吸しているのは洋子じゃなくて人工呼吸器。時間の問題でしょう。一番大事なものを無くしてしまったという事実を認識しようとしています。希望は持ちません」と苦しい胸の内を明かし、「洋子にもしものことがあったら、次の日からどうやって生きればいいのか」と漏らした。
 長門は05年ごろから認知症の症状が見られるようになった南田を在宅で介護。今年2月には脳梗塞(こうそく)を患っていることが判明し、入退院を繰り返しながら治療を続けていた。最近は症状が改善していたとし、「舞台に出掛けるために家を出ようとすると“いっていらっしゃい”と毎日送ってくれたが、17日だけ見送りがなかった」と話した。
 2人は1956年に映画「太陽の季節」の共演がきっかけで61年3月に結婚。長門は病室で長年連れ添った愛妻に「洋子の顔の形状を覚えておこうと一生分のキスをしてやりました」とポツリ。厳しい状況の中、出演中の舞台は1日も休んでいない。「僕には仕事がある。ここで号泣して仕事に傷を付けることはできない」と最悪の事態をすでに覚悟したように淡々と話した。

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2009年10月21日のニュース